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大学ラグビー日本一の行方 “本命”帝京を追う早稲田&明治、関西勢の連覇なるか

関東大学リーグ戦4連覇の東海大、伝統校に対抗できるか

 組み合わせを見ると、対抗戦2位と3位が26日の準々決勝でぶつかるのが注目ポイントだ。明治が18日の4回戦で天理大(関西3位)を退ければ、次戦は早稲田との「21日ぶり」のリターンマッチが待つ。再戦が早すぎると嘆くファンも多いだろうが、準々決勝屈指の注目カードになるのは間違いない。明治が昨季の選手権準決勝で屈した天理を倒すことが前提だが、対戦相手が日本代表CTBシオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)ら昨季の主力勢の卒業で戦力を落としていることを考えれば、マストウインのゲームなのは間違いない。明治が昨季の天理、12月5日の早稲田と“リベンジ”シリーズのようなゲームで覚醒できれば、準決勝、決勝へ向けて勢いをつける期待もある。

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 その早明ブロックの勝者と準決勝で対峙するのが東海大(関東リーグ戦1位)、近畿大(関西2位)、慶應義塾大(関東対抗戦4位)の勝者だ。近畿は、FW戦やコンタクトシーンで愚直に前に出てからの、思い切ったオープン攻撃を織り交ぜたアタックで、関西リーグを混戦に引きずり込んだ。ハードタックルとドライビングモールが攻守の強みの慶應との4回戦での激突は興味深い。タックルを伝統の武器としながら、一発で防御を突破されてトライまで繋げられてしまうシーンが目立つのが今季の慶應。“エアポケット”のような防御の破綻と反則の多さを、どこまで修正できるかも勝敗のポイントになりそうだ。

 この2校の勝者と4強を懸けて戦う東海は、今季で関東大学リーグ戦4連覇と安定した実力を誇る。日本大とは引き分け、得失点差での連覇とはなったが、チームの強みになっているスクラム、ラインアウトは健在だ。そこに大学屈指の攻撃センスを持つSO武藤ゆらぎ(2年/東海大大阪仰星)のゲームメークが上乗せされる。ルーキーの昨季も判断力、ステップ、パス感覚と才気を放った武藤だが、今季は他の14人のメンバーが見せる武藤のプレーへのリアクションの良さ、速さが光る。

 武藤や他選手が風穴を開けたチャンスに、2人、3人と的確な反応でサポートランして、トライチャンスを広げている。この武藤に加えて、ハードタックル、ジャッカルでリーグ戦トップクラスのプレーを見せるジョーンズ・リチャード剛主将(4年/伏見工)がチームのキーマン。真っ向勝負の相手にはしっかりと戦えるだけに、細かなコースチェンジなどスキルフルな戦い方を仕掛けてくる早稲田のような伝統校相手に、どう対抗できるかが注目だ。

 帝京が第1シードに陣取る“ヤマ”では、順当なら、まず4回戦で同志社大(関西4位)が関東大学リーグ戦3位の大東文化大と顔を合わせる。ともに奔放な攻撃力を伝統とするチームだが、今季共通するのはディフェンスの向上だ。CTB兼WTB大森広太郎(3年/茗渓学園)、FB山口楓斗(4年/東海大福岡)らアタッカーとしての才能を輝かせる選手が揃う同志社だが、ライン防御の出足の速さ、そしてラインを上げながらしっかり相手の動きを見定めてのタックルと、組織防御の整備が進んでいる。大東も、奔放なアタックに加えて、リーグ戦制覇を遂げた2017年シーズンに見せた防御を取り戻しつつある。どちらが、相手の防御を破綻させるかが注目のカードになる。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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