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大学ラグビー日本一の行方 “本命”帝京を追う早稲田&明治、関西勢の連覇なるか

12月5日の早明戦を終えて、大学ラグビーは地域リーグから全国大学選手権へとステージを切り替えた。すでに地方リーグチームが出場する1、2回戦を終了。朝日大(東海リーグ1位)が勝ち上がった12日の3回戦には、関西リーグ4位の同志社大が登場して、上位校の戦いがスタートする。昨季王座を掴んだ天理大ら関西大学リーグ勢の連覇はあるのか、それとも関東大学対抗戦グループで3季ぶりの優勝を果たした帝京大の捲土重来か。その帝京を追う早稲田大、明治大ら伝統校の巻き返し、悲願の日本一を目指す関東大学リーグ戦の雄・東海大の挑戦と、注目チームには事欠かない。各校の注目選手にもスポットを当てながら、大学日本一を賭したノックアウトトーナメントの行方を展望する。(文=吉田 宏)

早大のFB河瀬諒介に注目が集まる【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
早大のFB河瀬諒介に注目が集まる【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

12日の3回戦から上位校の戦いがスタート、軸は関東大学対抗戦で7戦全勝の帝京

 12月5日の早明戦を終えて、大学ラグビーは地域リーグから全国大学選手権へとステージを切り替えた。すでに地方リーグチームが出場する1、2回戦を終了。朝日大(東海リーグ1位)が勝ち上がった12日の3回戦には、関西リーグ4位の同志社大が登場して、上位校の戦いがスタートする。昨季王座を掴んだ天理大ら関西大学リーグ勢の連覇はあるのか、それとも関東大学対抗戦グループで3季ぶりの優勝を果たした帝京大の捲土重来か。その帝京を追う早稲田大、明治大ら伝統校の巻き返し、悲願の日本一を目指す関東大学リーグ戦の雄・東海大の挑戦と、注目チームには事欠かない。各校の注目選手にもスポットを当てながら、大学日本一を賭したノックアウトトーナメントの行方を展望する。(文=吉田 宏)

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 大学王者を決める戦いは、帝京大の9連覇の後は、明治大、早稲田大、天理大と王者が変わる群雄割拠の時代が到来。今季も4回戦からは、どのカードも予断を許さない戦いが続きそうだ。

 その中で、帝京に熱闘の軸になる期待が高まる。関東大学対抗戦を7戦全勝で勝ち抜いて3シーズンぶりに王座を奪還。強さの源泉は、対抗戦で圧倒的な強さを見せたスクラムだ。神奈川・桐蔭学園高時代から将来性を期待されてきた右PR細木康太郎(4年/桐蔭学園)が主将として、スクラムの要としてチームを牽引する。フロントロー勢だけでも押しの強さは学生随一だが、185センチ、108キロの江里口真弘(3年/大分東明)、192センチ、113キロの本橋拓馬(1年/京都成章)が並ぶ第2列からのプッシュも強烈だ。

 大学選手権の連覇が止まった2018年シーズン以降は、同じ対抗戦の明治、早稲田ら伝統校が選手獲得、チーム強化で巻き返してきたこともあり、優勝争いを演じながらも覇権に届かないシーズンが続いてきた。昨季までの戦いぶりを見ていると、実力的には互角に戦えているなかで、一つのミスや相手側に流れが傾いた時に、急速に動きが落ち、プレーが精彩さを欠く展開から、勝ちきれない試合が見られた。しかし、今季の帝京には、最後まで自分たちのラグビーを続けるためのメンタル、フィジカル両面の力強さが感じられる。残り10分を切ってから2トライを奪われながらも勝ちきった早稲田戦の終盤のパフォーマンスは、昨季までの数シーズンには見られないタフさを印象づけた。

 戦力も充実する。スクラムの強さが注目の細木主将だが、サイズに似合わない運動量、機動力で、ボールキャリーでもキーになる存在。その細木をさらに上回る運動量、そしてトライを奪う嗅覚を発散させるのがHO江良颯(2年/大阪桐蔭)だ。身長171センチとサイズには恵まれないが、体幹とバネのような筋肉、そしてコンタクトエリアで足をかき続けるような愚直なプレーと、大学随一のポテンシャルを持つアスリートは、選手権でもチームのキーマンだ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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