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ラグビー日本代表「2021年総括」 W杯まで残り22か月、1勝5敗の結果が示す課題とは

指令塔としての成長をアピールしたSO松田力也【写真:(C)JRFU】
指令塔としての成長をアピールしたSO松田力也【写真:(C)JRFU】

2つの戦術の切り替えは23年W杯を見据えた戦略

 この戦術の切り替えについて、秋のシリーズで司令塔として進化を見せたSO松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)は、スコットランド戦後の会見で「日本はキックを中心に考える戦術も持っているが、スコットランドはボールポゼッションを高めてくるという分析をしていた。なので、相手にボールを持たせてしまうキックじゃなく、自分たちのボールポゼッションを意識しながらプレッシャーをかけ続けるプランでアタックをしました」と振り返った。日本代表は今秋のシリーズで2つの戦術に取り組んできたのだが、ハイパントを織り交ぜた戦い方では、2年を切った次回W杯までにどこまで精度を高めることができるかという宿題が残されたまま、シーズンを終えたことになる。

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 もちろん、松田も語っていた対戦相手に合わせて2つの戦術を切り替えるのは、2023年のW杯を見据えた戦略だ。藤井ディレクターは、帰国後の24日に行われた総括会見で、さらにこう説明している。

「ヨーロッパ遠征での3試合は、対戦相手により弱いポイント、強いポイントがあった。前の試合でどういう戦い方をしたかを各チームが分析してくると思うので、それに対応できるように、いろいろな戦術を作り出して、その相手にぶつけていくということです。スコットランドの戦い方を、そのままW杯で使うというのではなくて、あくまでも相手ごとに対応できるスキルを身に着けて、このチームにはこう戦おうという考え方。ただし、ハイパントに関しては相手にプレッシャーをかけられなかったのは今回課題になった。この部分では修正が必要だろう」

 23年W杯のプールD組で、日本代表が対戦する相手はイングランド、アルゼンチン、サモアと、「アメリカ地区2位」を除く3チームが確定している。それぞれプレースタイルが異なる相手に勝つためには、日本も戦術を柔軟に変えて対応していく必要がある。このような考え方を背景に、敢えて対照的とも言える戦術を試したのが、今回のテストシリーズだった。このような2つの戦術を切り替える戦略は、15年大会、19年大会でも導入されていたもの。次回大会でも、その可能性を模索しているのだが、熟成にはさらなる時間が必要だ。

「時間」の問題は、次の代表戦が行われるのがW杯開幕1年前のシーズンだという現実からも重要かつ深刻だ。秋の4試合を見て感じたのは、合宿などのトレーニング時間はある程度確保できても、世界トップレベルの相手との実戦機会が少なすぎるということ。W杯で決勝トーナメントを争うレベルのチームであれば、同等の実力を持つ相手との真剣勝負を、より多く重ねることの重要さは、誰もが認めるところだ。南半球やヨーロッパの強豪国が、昨夏、秋からテストマッチを再開して激闘を積み上げているのに対して、日本が19年W杯以降にテストマッチをわずか6試合しか消化できていないという現実が、チームの強化や仕上がりに直結している。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19年と6大会連続で取材。

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