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「友達でも、恋人でもいい」 五輪を目指すフィギュア選手に今、必要な“支え”とは

五輪を逃した経験も「褒めてもらった言葉に救われました」【写真:荒川祐史】
五輪を逃した経験も「褒めてもらった言葉に救われました」【写真:荒川祐史】

0.17点差で五輪切符を逃して得た教訓「後悔をしても結果は変えられない」

 前編で紹介した通り、代表選考を兼ねた全日本選手権で中野さんは2位とわずか0.17点差で代表切符を逃した。

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 シーズン序盤の大会、冒頭のトリプルアクセルで転倒した際に左肩を脱臼。トリプルアクセルを封印し、故障を抱えたまま臨んだグランプリ(GP)シリーズは3、4位にとどまり、目標にしていたGPファイナル進出を逃した。最後のチャンスとなった全日本選手権までは眠れない日々が続き、心も体もギリギリの状態だった。

 ショートプログラム(SP)2位で迎えたフリー。冒頭の3連続ジャンプでバランスを崩し、単発に。自信を持っていたはずのスピンでもレベル4を取りこぼすなど、細かいミスが出て、命運が分かれた。表彰式までは気丈に振る舞っていたが、舞台裏に下がると、泣き崩れた。

 あのシーズンの“敗因”をこう振り返る。

「今になってみると、ピークの持っていき方が今ひとつだったと思います。年齢とともに体力が落ち、それが怪我に繋がったことも、もどかしさが増す要因でした。練習をもっともっとしたかったのですが、練習をすることで怪我も悪化する。なんとか痛み止めを飲んで、だましだましの状態で練習を続けていたので。もし、そういうコンディションの不安がなかったら……という想いはあります」

 フィギュアスケート選手、特に20歳前後でベテランの域に入る女子選手は体型変化により競技成績も左右され、ピークは短いといわれる。だからこそ、そのシーズンにコンディションの波を上向きにすることが、ほかの競技以上に重要になる。

「なので、五輪シーズンは気持ちの強さと勢いが大切。そのシーズン、波に乗っている人が五輪に行くべきと感じました。バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した浅田選手は、それ自体はもちろん素晴らしいですが、15歳だったトリノ五輪も代表候補に挙がるくらいの存在。そこから4年間、体型や体調、体力や気持ちの変化も乗り越え、気持ちの強さと向上心を持って日々鍛錬を積んだと思います」

 これだけ五輪出場を願いながら、これだけの僅差で五輪を逃した選手は少ない。だからこそ、中野さんの言葉は重い。

「私が一つ学んだのは、後悔をしても結果は変えられないということ。その後悔をしないためにどうするかといえば、練習を積んでおくしかない。ただ、何が起こるか分からないのが本番の大会。だから、現実を受け入れなければいけません」

 一方で「もし、仮に五輪を逃すことになったとしても、一つのことに集中し、五輪を目指すところまで挑戦できた自分自身を褒めてあげるべきだと思います」とも言い、付け加える。

「それは選手に関わっている周囲の方も同じです。悲しいかもしれませんが、それでも頑張ってきた選手を褒めてあげてほしい。私の時も自分以上に周りの方が悲しかったし、悔しかったはず。でも、私は褒めてもらった言葉に救われました」

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中野 友加里

THE ANSWERスペシャリスト フィギュアスケート解説者

1985年8月25日生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け、「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位など国際舞台でも活躍。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に現役引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を行うほか、審判員としても活動。15年に一般男性と結婚し、2児の母。YouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」も人気を集めている。

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