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井上尚弥の「来春バンタム級転向論」の是非 本場の米記者たちはこう見ている

さらに進化の可能性も? 「バンタム級でより優れたファイターになる」

「井上のパンチの炸裂音は他のスーパーフライ級選手たちとは違う物だった。そのサウンドはアリーナにいても、テレビ画面で見ていても伝わってきた。彼の拳はまるで小槌のよう。バンタム級に上げることで、パワー面のアドバンテージが減少しないかという不安はある。115パウンドのスーパーバンタム級から118パウンドのバンタム級の転級は大きな違いとは思えないかもしれないが、元WBA世界バンタム級王者ルーシー・ウォーレン(米国)のように、バンタム級では力を出し切れずにスーパーフライ級に戻ったような例もある」

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 ニューヨークを拠点にするフリーランスライター、ゲイブ・オッペンハイム記者はそう述べる。このオッペンハイム氏は、今年5月のアッサン・エンダム(フランス)対村田諒太(帝拳)の第1戦の際には来日したほどの日本ボクシング通。その懸念通り、今後も井上のパワーが通用するかどうかがバンタム級、さらに上の階級に上がっていった際のポイントとなっていくのだろう。

 もっとも、オッペンハイム記者も、「そのパワーがどこまで通用するか、井上の陣営にはもちろん、私以上に明確な考えがあるはずだ」とは述べている。そして、米デビュー戦となった9月のアントニオ・ニエベス(米国)戦ではリングサイドの人々を仰天させた爆発的なパンチ力は、昇級後も効果を発揮すると見る地元メディアは多い。

「個人的には井上はバンタム級でより優れたファイターになると思う。もうスーパーフライ級の身体を作るのが難しくなり、減量は調整、試合にも影響していたはずだ」

 リングマガジンのライアン・サンガリア記者はそう推測するが、実際に「井上はスパーリングではもっと強い」といった日本の関係者の証言もよく耳にする。また、ナム記者も「バンタム級のどの世界王者と対戦しても井上が有利と考える」と述べている。それほどの評価の高さを考えれば、やはり来春のバンタム級転向は悪くないタイミングなのだろう。

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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