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井上尚弥の「来春バンタム級転向論」の是非 本場の米記者たちはこう見ている

WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(大橋)にとって、30日に行われる同級6位のヨアン・ボワイヨ(フランス)戦がスーパーフライ級での最後の防衛戦になりそうだという話が聞こえてくる。現代のスーパーフライ級は全階級を通じても屈指の層の厚さ。そんな背景を考えれば、井上が本当に来春にもバンタム級に上がってしまうとすれば、少々もったない気はしてくる。

WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥【写真:Getty Images】
WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥【写真:Getty Images】

残念?待望? ボワイヨ戦でスーパーフライ級卒業も…米記者陣の“本音”に直撃

 WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(大橋)にとって、30日に行われる同級6位のヨアン・ボワイヨ(フランス)戦がスーパーフライ級での最後の防衛戦になりそうだという話が聞こえてくる。現代のスーパーフライ級は全階級を通じても屈指の層の厚さ。そんな背景を考えれば、井上が本当に来春にもバンタム級に上がってしまうとすれば、少々もったない気はしてくる。

「2月24日に予定されるWBC世界スーパーフライ級王者シーサケット・ソールンビサイ(タイ)対ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)戦の勝者との対戦が叶わぬまま昇級するとすれば、やはり残念ではある。スーパーフライ級にはローマン・ゴンサレス(ニカラグア)、エストラーダ、カルロス・クアドラス(メキシコ)、ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)、シーサケットといった多くの強豪が属している。結局、井上はその誰とも対戦しないことになる」

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「UCN.com」のショーン・ナム記者のそんな言葉通り、井上はこれまで6度の防衛は果たしてきたが、ビッグネームと戦い続けてきたわけではない。

 タイトルを獲得した際のオマール・ナルバエス(アルゼンチン)戦を除けば、あとは世界的に評価される選手との対戦はほとんどない。それでも、これほどの知名度を勝ち得たことは能力の賜物。特に米プレミア・ケーブル局の雄「HBO」がスーパーフライ級興行を定期化しようとしている状況で、「せめてあともう1年でも115パウンドにとどまることができれば」と思わずにはいられない。

 ただ、井上の減量の難しさはすでに伝えられてきている。ここでスーパーフライ級にこだわることは、ポテンシャルの完全開花を妨げることになりかねない。だとすれば、24歳の今は3階級制覇を目指すに悪くない時期。そして、118パウンドがリミットのバンタム級に上げることで、また新たな興味が生まれてくる。

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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