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11月まで部活動→国立大合格 元日本代表DFが説く文武両道「要はやるか、やらないか」

岩政氏は、文武両道について「要は、やるか、やらないか」だと語る【写真:(C) Yasuhiro TAKABA】
岩政氏は、文武両道について「要は、やるか、やらないか」だと語る【写真:(C) Yasuhiro TAKABA】

毎日の行き帰りで予習復習をして、テスト勉強は2週間前から計画的に

 そこで考えたのが、電車の移動時間を勉強に充てることだった。行きの電車では、その日ある授業の教科書を読み、帰りの電車では、その日の授業で書き写したノートを確認する。宿題が出ると、「休み時間に全部終わらせた」という。

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「要は予習復習ですよね。そうやってコツコツやっておくと、授業の入りが全然違うわけです。予習をしないで授業に入ると難しくて全然分からなかったけど、内容は理解できなくてもいいので、授業の前に教科書に目を通しておく。そうすると、先生が授業で説明してくれるので理解しやすいんです。それだけやっておいて、あとはテスト前に集中して落とし込むという感じでした」

 テスト勉強は2週間前に始まる。まずは計画表を作成する。2週間でやらないといけないことを洗い出し、そこからいつ何を勉強するか、はめ込んでいく。実は2週間あれば、1日にやらないといけないことはそんなに多くはない。そのため岩政氏は「毎日夜の11時ぐらいには寝ていたし、遅くまで勉強を必死にやった、という日は一日もなかったですね」と振り返る。

 岩政氏の勝因は、自分の実力を見定めて、早めに目標を決めて、そこに向けて計画的に努力したことだ。「高校に入ると、目標値も分かってくるし、模試を受けることで自分のレベルも分かってきた。だからバリバリひたすら勉強しなくても、予習復習で頭に入れて、センター試験で規定の点数を取れるレベルに到達できるように勉強していた」。

 というのも、当時の岩政氏の中心にあったのがサッカーだったからだ。「とにかく勉強を部活とどう両立させるか」という考えのもと、サッカーをするために必要なもの、やらなきゃいけないものをやる。そこに離島という不利な条件も相まって、「他の人と同じにはできない。だから3年間回せる方法でやらないといけなかった」という考えに至った。

 生粋のセンターバックは、リスク管理も完璧だった。どんなに綿密に計画を立てていても、イレギュラーが発生し、計画が崩れてしまうことがある。しかし岩政氏は「もちろんその日は設けています」と軽くかわした。

「できない日があることは想定していたので、だいたい金曜日にその日を設けていました。その週にできなかったもの、終わらなかったものを“移す日”。逆に言えば、木曜日までにきちんとできていれば、金曜日は遊び放題なんです。だからそれをモチベーションにやっていたところもあります(笑)。この“移す日”を設けてからは、気持ちもラクになって、スムーズに勉強できるようになっていきましたね」

 部活と学業の両立は、スポーツに打ち込む学生にとって、避けては通れない課題だ。しかし、岩政氏は言う。「両立って、できるかできないで語る人が多いですが、僕はそのレベルではないと思っています。高校生までは『やります』と決めれば、できるんです。要は、やるか、やらないか、なんですよ」。

 人生は、選択の連続。自分で選択してきたからこそ、今がある。「両立したほうが、人生はトクですよ」。人生の先輩は、そう誘い掛ける。やるか、やらないか――。さあ、アナタはどっちを選びますか。

■岩政大樹(いわまさ・だいき)

 1982年1月30日、山口県生まれ。山口県立岩国高校を卒業後、一般入試で東京学芸大学に入学。大学卒業後に鹿島アントラーズに加入した。プロ1年目からセンターバックとして出場を重ね、シーズン後半にはスタメンに定着。在籍した10年間で、リーグ優勝(3回)、Jリーグカップ優勝(2回)、天皇杯優勝(2回)、ゼロックススーパーカップ優勝(2回)など“常勝軍団”の一員として活躍した。その後、タイリーグのBECテロ・サーサナFC、ファジアーノ岡山、東京ユナイテッドFCを経て、2018年に現役を引退。現在は上武大学サッカー部監督として指導者の道を歩み始めている。

(THE ANSWER編集部)

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