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【今、伝えたいこと】 資格取得22種 元ショートトラック勅使川原郁恵が「0.001秒の世界」で培った健康哲学

新型コロナウイルス感染拡大により、スポーツ界はいまだかつてない困難に直面している。試合、大会などのイベントが軒並み延期、中止に。ファンは“ライブスポーツ”を楽しむことができず、アスリートは自らを最も表現できる場所を失った。

勅使川原郁恵さん【写真:近藤俊哉】
勅使川原郁恵さん【写真:近藤俊哉】

連載「Voice――今、伝えたいこと」第22回、「健康」と「子育て」で活躍する元オリンピアン

 新型コロナウイルス感染拡大により、スポーツ界はいまだかつてない困難に直面している。試合、大会などのイベントが軒並み延期、中止に。ファンは“ライブスポーツ”を楽しむことができず、アスリートは自らを最も表現できる場所を失った。

 日本全体が苦境に立たされる今、スポーツ界に生きる者は何を思い、現実とどう向き合っているのか。「THE ANSWER」は新連載「Voice――今、伝えたいこと」を始動。各競技の現役選手、OB、指導者らが競技を代表し、それぞれの立場から今、世の中に伝えたい“声”を届ける。

 22回はスピードスケートのショートトラックで五輪3大会に出場した勅使川原郁恵さん。引退後はテレビ出演をきっかけにウォーキングの認知度を高めたほか、22種の資格・免許を取得し、ヘルスケアスペシャリストとして活動している。また、乳幼児の成長をサポートするナチュラルボディバランス協会を立ち上げ、「健康」と「子育て」のジャンルで活躍中だ。

 ◇ ◇ ◇
 
「健康ウォーキング指導士」
「ウォーキングアドバイザー」
「姿勢アドバイザー」
「ノルディックウォーキング・ベーシックインストラクター」
「スポーツシューズスペシャリスト」
「ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター」
「ベジタブル&フルーツビューティーセルフアドバイザー」
「フードアナリスト」
「ナチュラルフードコーディネーター」
「雑穀マイスター」
「飾り巻き寿司インストラクター」
「食育インストラクター 」
「睡眠改善インストラクター」
「温泉ソムリエ」
「気候療法士」

 これらは、勅使川原さんが持っている資格、免許の一部だ。そのすべてを06年トリノ五輪を最後に27歳で引退した後に取得。「今は全部で22個になりました」と笑うが、これだけの数になったのは理由がある。

 現役時代、3度の五輪に出場した勅使川原さん。メダルには届かなかったものの、98年長野、02年ソルトレイクシティともに3000メートルリレー4位に入るなど、ショートトラック界の女子のエースとして長く活躍した。

 引退後は「スポーツを通じて得た経験を伝える側になりたい」との思いからスポーツキャスターに転身。様々な競技のアスリートらと触れ合う中で、一つの思いが芽生えてきた。

「アスリートはもちろん、社会で活躍する人にとって、一番大事なのは『健康』じゃないかと思うようになって。スポーツも、仕事も健康じゃないとできない。スポーツの楽しさ、プラス、皆さんの健康をサポートしたいと思って、勉強を始めました」

 数を記すと、その多さに目が行くが、何も「資格コレクター」をステータスにしたかったわけじゃない。一つ一つを見ていくと、狙いは明確だ。「そもそも新しい知識を得ることが好きだったんですが」と言った上で、勅使川原さんは明かす。

「健康になるためには『食事』『運動』『休養』の3つのバランスが重要と考えていて、それにまつわるものを取っています」

 改めて見ると、どの資格も3つのジャンルに分類されている。なかには珍しいものもある。例えば、「睡眠改善インストラクター」。聞いてみると「睡眠」の重要性について力説した。

「『休養』について、24時間のうち8時間くらい寝ると、1日の3分の1の時間になります。そう考えると、睡眠がすごく重要になってくる。寝る環境が良くないと、疲れも取れない。その質が大切になると思い、睡眠改善について調べていくうちに『睡眠改善インストラクター』があることを知り、勉強して取得しました。簡単なことで言うと、寝る前の携帯、パソコンの光を見ていると脳が活性化されてしまい、スイッチを切って体を休める状態になりづらい。

 白の蛍光灯をフルでつけているのも同じです。寝つきが悪い人は色をオレンジのものに変えたり、夜になると一つずつ消していったりすると、睡眠の入りがスムーズになります。光の問題だけではなく、服装も大切です。汗をかくので速乾性がいい素材、特に綿が理想です。あとは1日に運動をまったく取り入れないと寝づらくなる。夕方4~5時の夕食前に散歩、ストレッチをするなど、一回でも運動することで眠りやすい体質に持っていきやすくなります」

 わかりやすく解説した口ぶりは、専門家のよう。しかし、あくまでこれは一例で「食事」「運動」「休養」にまつわる知識の成果が22個もある。こうも「健康」にこだわるのは、現役時代の経験と関係している。

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