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本拠地どうする?日本代表との協力は? ラグビー新リーグ会見に感じた懸念と違和感

来秋の開幕を目指すも、オリパラとの兼ね合いもあり不透明

 このポイント制について、谷口室長は会見でさらに、こう付け加えている。

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「単に前シーズンが強かったかどうかという判断にはならないですね。いろんな評価の観点から、チームの構成とか、1シーズンに面白い試合を戦い抜けるかも興行的に重要になってくると思いますので、そこは考えなければならない」

 スポーツにおいて強いことが判断基準にならないのも危険だが、この「面白い」という評価を審査委員会が判断すのだろうか? しかし「面白い」という感情を、評価基準にすることには大きな危険がる。かなり個人的な基準だからだ。このような、個々の恣意的な要素が入り込む余地のある評価基準は出来る限り回避するべきだろう。より公正な評価ができなければ、スポーツには絶対に欠かせないフェアなジャッジメントを損なう危険性を孕むことになるからだ。

 多くの事案が、TLチーム関係者らも加わる小委員会で検討、策定中というのが現状だ。ここまで触れた谷口室長の説明も、まだ検討中のもの多いはずだ。

 ちなみに、来秋の開幕を目指してきた新リーグだが、谷口室長は現時点での進捗状況を踏まえて「(開幕時期の設定は)新型コロナウイルスが、こうしたパンデミックになる以前の話です。大きな点としては、オリンピック、パラリンピックの延期が挙げられます。秩父宮はオリパラ開催時は駐車場になる。戻すまでには2か月以上かかると聞いています。秋の早い段階というのは難しいと考えています」と語っている。

 おそらくは代表戦期間が終わる12月や年明けの開幕が現実的だと考えたほうがいいだろう。“開幕”までの、少なくとも1年半という時間が長いか短いかはそれぞれの立場で異なるだろうが、日本ラグビーの変革を担おうと大きな理想を掲げている新リーグ構想だけに、現実に落とし込まなければならない事案も少なくないのが実情だろう。残された時間で、よりファンと選手が納得できる、公正で胸が躍るような理念と大会規約が出来上がることを期待したい。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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