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駅伝は「いい子ちゃん」ではダメ 大東大監督、全日本14位で選手に伝えた箱根への覚悟

見せつけられた力の差「選手も危機感を共有している」

 全日本大学駅伝で優勝したのは駒澤大だった。ここ数年の同大会はアンカー勝負になっていたが、2区でトップに立つとそのまま独走し、大会記録で優勝を果たした。青山学院大、國學院大、中央大、順天堂大など箱根常連校の強さが今年も目立ったが、逆に言えば上位と下位の差が以前よりも開きつつある印象を受けた。

――全日本を終えて、自分たちの現在地を把握できたのでしょうか。

「箱根のトップ5に入るチームとは、力の差を見せつけられましたね。学生たちに言ったのは、力足らずと力を出し切れずでは、反省する内容が変わってくるということ。出し切れていないなら競技者として心の成長をしないといけないし、準備段階で何が足りなかったのか考えないといけない。

 力足らずなら現実問題、仕方ない部分もあるが、より練習をしないといけない。練習のレベル、食事、ケアのところまで一流アスリートに近づいていかないといけないという話をしました。学生たちも危機感を感じていたのか、普通は1週間ぐらいジョグで繋ぐんですが、全日本が終わった後は3日でポイント練習を入れました。誰1人たれる選手はいなかったので、危機感を共有してやっているのを感じました」

 全日本で見つかった課題を箱根駅伝でどう活かしていくのか。真名子監督はその修正に力を入れ、上位10校に与えられるシード権の獲得に向けて着々と準備している。

【第1回】箱根駅伝に4年ぶり出場、大東大を変えた6か月 真名子圭監督が重視した「その場の5秒」

【第2回】箱根駅伝予選を1位通過、大東大“復活”の背景 真名子圭監督が選手に求め続けた意識改革

【第3回】「MARCHとは土台が違う」 大学駅伝スカウト事情、大東大監督が大切にすることは?

【第5回】留学生ワンジルの「1区はない」 大東大監督が断言、箱根駅伝シード権獲得へ描く戦略

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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真名子 圭

大東文化大 陸上競技部 男子長距離ブロック監督 
1978年生まれ、三重県出身。選手時代は大東文化大で箱根駅伝に4年連続で出場し、4年時には10区で区間賞の走りを見せた。本田技研(現・Honda)で競技生活を終えると、三重での高校教員を経て2012年に仙台育英高に赴任。陸上競技部長距離男子の監督としてチームを強化し、19年の全国高校駅伝で優勝した。今年4月、低迷していた母校に戻ると全日本大学駅伝、箱根駅伝と本戦出場に導いている。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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