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箱根駅伝「優勝が使命」 前回2位の順天堂大監督、青学との“11分差”逆転の青写真

箱根駅伝での優勝を目指すと語った長門俊介監督【写真:編集部】
箱根駅伝での優勝を目指すと語った長門俊介監督【写真:編集部】

箱根駅伝の上位を争うなかで感じる難しさ

「スカウティングは年々、大変になってきています。高校生は5000メートルが主で、走っても10キロです。そこから箱根で20キロ走らせないといけないので、距離を伸ばせる選手もいれば、トラック種目が中心になる選手も出てくる。それを考えると、選手を多く獲得したほうがいいのかもしれないですけど、指導するには数に限界があります。僕は推薦枠の中で、スカウトした高校生が数名と、残りは順大で頑張りたいと希望してくれた高校生を獲得するようにしています。希望してきてくれた学生は最後まで一生懸命頑張ってくれます」

 愚直に現場へ足を運んで選手を見て、話を聞く。各大学による高校生のスカウト活動は年々早くなっており、長門監督も指導の合間を縫い、気になる選手をチェックするために年間を通して各地へ出向いている。

 一方、チームは今シーズンも好調を維持している。

 春のトラックシーズンで最も重要な関東インカレでは、三浦龍司(3年)が5000メートルで圧倒的な強さを見せて優勝、1万メートルでも伊豫田達弥(4年)が猛烈なラストスパートを見せて優勝した。ハーフマラソンでは四釜峻佑(4年)が7位入賞、3000メートル障害では村尾雄己(1年)が8位入賞を果たした。

 今シーズンは、どういう取り組みで駅伝シーズンに臨もうと考えているのだろうか。

「やはり箱根駅伝での成果がすべてという風潮にあります。僕は、前回の箱根駅伝優勝メンバーとして、再度優勝することが使命だと思ってやっています。ここ数年、箱根駅伝は個の集大成と意識してやってきて、少しずつ成果として出てきたなと思う反面、難しさも感じています。前回の青山学院大学は強かったですし、駒澤大学もやっぱり選手を揃えているので、再度優勝を狙ってくると思います。侮れない大学は他にも多いです。特に青山学院大学には前回、約11分も離されました。本学のメンバーのマイナス分を差し引いたとしても、それでも5分くらいの差はあったと思います。どうしたら勝てるのか、模索中です」

 一つポイントになるのは、上級生の存在だろう。前回の箱根駅伝では往路は5位だったが、復路で4年生の牧瀬圭斗(現・トヨタ自動車九州)が6区区間賞、8区津田将希(現・西鉄)が区間賞を取り、巻き返した。

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長門 俊介

順天堂大学 陸上競技部 駅伝監督 
1984年生まれ、長崎県出身。諫早高校から順天堂大学に進学し、箱根駅伝は4年連続で9区を走った。卒業後はJR東日本に進み、2011年に順天堂大学陸上競技部のコーチ、16年に駅伝監督に就任した。3000メートル障害で塩尻和也、三浦龍司と2人のオリンピアンを輩出、22年の箱根駅伝では総合2位となりチームを15年ぶりのトップ3に導いた。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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