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世界的サッカースクールの外国人指導者が断言 子供の指導で最も大切なこととは

「若い選手を教えるには、何より忍耐強さが必要だ。だから短気な私は、指導者を育成する側に回った」――アルフレッド・ガルスティアン(クーバー・コーチング共同創設者)

若い選手を指導する場合、最も重要になる事とは【写真:Getty Images】
若い選手を指導する場合、最も重要になる事とは【写真:Getty Images】

自ら「不適格」と認識、育成指導で最も大切な「忍耐強さ」

「若い選手を教えるには、何より忍耐強さが必要だ。だから短気な私は、指導者を育成する側に回った」――アルフレッド・ガルスティアン(クーバー・コーチング共同創設者)

 クーバー・コーチングは、スター選手の技を分析整理し、子供たちに習得させる指導法で、日本でもスクールは全国展開されている。アルフレッド・ガルスティアンは、創始者ウィル・クーバーの指導を、さらに発展させ普及していこうと尽力している。

「確かにリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドのようなスーパースターは、誰かに育てられるものではなく、生まれてくるものだ。だが子供たちが、こうしたスーパースターに近づけるように上達させることは可能だと思うよ」

 アルフレッドに、若い才能を指導するための条件を聞いた。

「特に若い選手を指導する場合は、忍耐強さが最も重要になる。次に全員を平等に扱えること。それにスキルの教え方を真摯に学べることだね」

 そう言って彼は冗談めかして明かした。

「実は私は優れた少年のコーチとは言えない。なぜなら短気だからね。選手たちのミスを許すことができない。かつてプロクラブのユース選手を教えたことがあったが、すぐに怒鳴ってしまった。だから私は、こうして指導者の育成に回ることにしたんだ。つまり子供たちの指導者たちに言いたいのは、私のようになってはいけないということだ」

 実際に日本で次々に露呈するパワハラ問題も、根底には指導者の忍耐力の欠落が挙げられる。

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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