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高校1年生・ドルーリー朱瑛里、初めての夏 陸上で繋がった全国の仲間から向けられた敬意

ドルーリーが明かした陸上の魅力とは【写真:荒川祐史】
ドルーリーが明かした陸上の魅力とは【写真:荒川祐史】

ドルーリーが明かした陸上の魅力「練習した分だけタイムに努力が表れる」

 これまで多くのアスリートを取材し、最も悲しいと思うことのひとつは、好きで始めた競技を好きでいられなくなること。もちろん、それには怪我やスランプ、所属した環境や指導者との相性など、選手それぞれにそれぞれの理由がある。

 今回、話を聞いた選手に共通するのは、誰もがドルーリーの存在を喜び、自分のモチベーションに変え、陸上で競い合う良きライバルとして敬意を持っていること。本人同士はまだ深く会話もしたこともないだろうが、これだけ同じ志を持った仲間がいる。

 レース前の選手紹介は表情ひとつ変えず集中し、号砲が鳴れば積極果敢に前に出て攻めるドルーリーは強い負けん気を内に秘めたタイプに映った。

 これから勝つこともあれば、負けることもあるだろう。どうしても外野は五輪や日本記録などの夢を描きたくなるが、何よりもこんな風に陸上で繋がった仲間たちと切磋琢磨しながら、陸上を好きなまま、陸上を楽しんでほしい。

 レースを離れれば、普通の15歳。はきはきとした受け答えが印象的で、レース後に同郷の先輩から「朱瑛里ちゃん、おつかれ!」と声をかけられると、笑みもこぼした。

 2日の1500メートル予選から3日間、すべて囲み取材に応じたドルーリー。最後となった800メートル準決勝のレース後は、緊張の連続だった初めての夏が終わった安堵感か、あるいは準決勝で負けたことで沸き上がる悔しさか、特に表情と言葉に力があった。

 ひとつ、聞いてみた。

 陸上というスポーツのどんなところが好きですか?

 視線を宙に浮かせ、少し考えながら言った。

「練習した分だけ、長距離は特に結果として、タイムとして、しっかりと練習量や努力が表れるので、そこが魅力のひとつかなって思います」

 陸上にかける、まっすぐな情熱と愛情を持った高校1年生だった。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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