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教員志望だった栗山英樹氏が描く中学野球の“進化” 部員激減、地域移行でもチャンス「1人だけでも」プレー可能に

プロアマ協働で野球の発展を目指す「日本野球協議会」は18日、東京都内で会見を行い、新たにスタートする「中学球児応援プロジェクト」のアンバサダーに、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)や日本ハムで監督を務めた栗山英樹氏と、早実高時代に夏の甲子園で優勝投手となり“ハンカチ王子”の異名で呼ばれた斎藤佑樹氏が就任すると発表した。野球をする中学生が激減する中で迎える、部活動の地域移行という荒波を前に、2人は「ピンチこそチャンス」と様々なアイデアを示した。

中学球児応援プロジェクトのアンバサダーに就任した栗山英樹氏(左)と斎藤佑樹氏(右)【写真:羽鳥慶太】
中学球児応援プロジェクトのアンバサダーに就任した栗山英樹氏(左)と斎藤佑樹氏(右)【写真:羽鳥慶太】

斎藤佑樹氏とともに「中学球児応援プロジェクト」アンバサダーに

 プロアマ協働で野球の発展を目指す「日本野球協議会」は18日、東京都内で会見を行い、新たにスタートする「中学球児応援プロジェクト」のアンバサダーに、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)や日本ハムで監督を務めた栗山英樹氏と、早実高時代に夏の甲子園で優勝投手となり“ハンカチ王子”の異名で呼ばれた斎藤佑樹氏が就任すると発表した。野球をする中学生が激減する中で迎える、部活動の地域移行という荒波を前に、2人は「ピンチこそチャンス」と様々なアイデアを示した。

 新型コロナ禍を乗り越え、プロ野球は昨季年間2668万人という史上最多の観客動員を記録した。一方で、野球の足元が揺らいでいる。中体連が発表した、昨年の中学軟式野球部員の人数は男女合計で13万3854人。これは斎藤氏が中学校3年生だった2003年の31万3520人と比べると、実に6割近い激減だ。

 さらに、長時間労働が常態化している教員の負担を低減するため、政府は中学校の部活を地域主体に移行する方針を打ち出している。スポーツ庁と文化庁の有識者会議は5月、2026年度から6年かけて、中学校の平日の部活動を学校の外に移すとした最終報告書をまとめた。ひと昔前には当たり前だった「中学校の軟式野球部」が、存続の形を模索しなければならない時代を迎えている。

 日本野球協議会では、2024年6月に中学部活動の支援を最重要課題と位置づけ、プロアマの垣根を超えて何を支援できるかを検討してきた。その第一歩としてこの日発表されたのが、2人のアンバサダー就任と、11月15日に「全日本野球サミット」を開催し、現場の意見交換や成功体験の共有をスタートすることだった。

 前回のWBCで、多くの人に名将として知られるようになった栗山氏は東京学芸大の出身。ヤクルトにテスト入団し、プロ野球選手になる前は教員を志していた。そのため現在も「周りは教員ばかり」だという。現場の声も聞こえてくる立場にあり、部活動を維持する上では教員の負担が大きいことや、それを地域に移していく過程が一筋縄では行かないことも理解している。

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