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陸上強豪校から1浪→上智大の異色キャリア 1年間留学、就活、インカレ出場…夢は世界「自分の道は自分で作らなきゃ」――上智大・鈴木一葉

鈴木がこれから描くビジョンも特殊。卒業後は働きながら競技継続を検討している【写真:中戸川知世】
鈴木がこれから描くビジョンも特殊。卒業後は働きながら競技継続を検討している【写真:中戸川知世】

卒業後は働きながら競技継続を検討 陸上でも仕事でも「世界」を目指して

「多様性」が叫ばれ、昨日の常識が今日の非常識になる時代。学生の進路の考え方も広がり、彼女のような選択も次世代のひとつのヒントになるだろう。

 誰かに敷かれたレールに縛られることなく、自分でレールを作ってきた鈴木。スポーツ推薦を選ばず、部活も留学も経験。個人でメディアも持った。もちろん、責任は伴う。でも、だからこそ「毎日、めっちゃ楽しいです」と笑う。

「なんとなく陸上を中学で始めたから、なんとなく高校もやって、大学もやって……だったら、もしかしたら『なんで私、陸上やっているんだろう』と思っていたかもしれない。たぶん、すべて自分が選んでいる道だから、楽しいんじゃないかなと思います」

 これからのビジョンもちょっと特殊だ。

 大学で引退するつもりだったが、来年の日本選手権の標準タイムを突破したこともあり、競技を継続することに決めた。外資系企業でフルタイムで働き、もちろん、業務を第一優先に、休日などを利用して挑戦することも視野に入れる。実業団の選手ではなく、OL兼アスリートとして。それも異例のこと。

 鈴木の考えは、中学・高校・大学というくくりで陸上が存在しているわけではなく、たまたま競技人生が「3年、3年、4年」で外的に分けられているだけ。大学卒業だから……と区切るより「もう、これで終わりでいっか」と思えるまでやり尽くしたいという。

「現役中」と「引退後」を2つに分け、それぞれのビジョンを聞くと、「それは別に、同時並行でもいいのかなと思うんです」と言った。

「競技は、やるからには世界を目指したい。でも、世界で活躍できる人材になることは就職先でもできる。陸上を終えたから他のことをやるのではなく、将来のために今からでも種を撒いておけばいい。現役中、引退後というフェーズではなく、やりたい場所で自分のやりたい挑戦を好きなタイミングでやれればいい」

 目的は世界。手段は陸上と仕事、どちらにも可能性がある。

 やりたいことはひとつじゃなくていい。これからも、何本かに枝分かれしたレールを、鈴木一葉は楽しみながら歩んでいく。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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