[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「もう一度、頑張ろうと思えた」 高校生の心を動かした陸上・寺田明日香のエール

高校生に問いかけ「モチベーションが下がることを悪いことだと思ってない?」

 続いて行われたのが、質問コーナー。「技術」「メンタル」「将来」の3つの項目に分け、高校生から次々と声が上がった。ハードリングのテクニック、レースの組み立てなど、実践的な質問が挙がった「技術」に続き、「メンタル」については今の高校生ならではの切実な声が届けられた。象徴的だったのが、こんな質問だ。

「今は大会がなくなって、目標もなく、モチベーションが下がってしまっています。その中でも、自分なりのベストを出すために気持ちをどう保てばいいですか?」

 すると、頷きながら聞いていた寺田は「モチベーションが下がることを悪いことだと思ってない?」と問いかけ、自身の体験も引き合いに出しながら、優しく声をかけた。

「私もオリンピックが来年に延期になり、ずっと高かったモチベーションがそのままかというと、下がる時はあります。みんなも部活、大会がなくなって、モチベーションが下がると思う。でも、人間だからモチベーションが下がることはある。それを悪いことだと思わないでほしい。いつか努力の成果を出せる機会は、きっとやってくるから。

 モチベーションが下がっている中でも、栄養管理とか課題克服とか、絶対に続けておかなきゃいけないことがあるよね? そういうことは、続けておかないと(本格的に練習再開した時に)感覚が戻らなくなる。だから、大事なことはモチベーションが下がっている中でも『これは一つ、守っておこう』と大切にすることじゃないかな」

 多くのことを求めすぎてネガティブになるのではなく、今の自分にできることを絞り、ポジティブに考えること。それは試合に向けた気持ちのアプローチも一緒だった。

 試合前に不安になりがちな気持ちを高める方法について質問が挙がると「私は、その日にできることを大切にしている」と強調。「練習していないことを出すのは難しい。だから、大会までに一番大切にしてきたこと、これだけは守って走りたいことを決めておくといい」と話した上で「120%を出そうと思って力が入りすぎると、タイムが伸びないこともあるけど、そう考えると不安になることがあっても『95%くらいで走ればいいんだ』とちょっと余裕が出るから」と説いた。

 また、大きな大会に出ると緊張して体が動かないという悩みについては、これも「緊張って悪いことだと思ってませんか?」と問いかけ、「私は思ってないんです」と明かした。「緊張は頑張ろうと思っている証拠。私は『おお、緊張してきた。今日の私、頑張ろうとしている。頑張れ頑張れ』と自分の体に思うようにしている。大きな大会になると勝ちたいし、いい記録を出したいし、いい姿を見せたいと思うけど、まずは『自分』にフォーカスして、頑張ろうとしている自分を褒めてあげてほしい」と語った。

 そして、最も印象的だったのは、最後の「将来」にまつわる質問だった。

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集