[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

【One Rugbyの絆】聴覚障がい者の「静かで熱い戦い」 デフラグビーの魅力を知っているか

日本ラグビー界に新たなうねりを起こすべく立ち上がった「NPO法人One Rugby」。元日本代表主将の廣瀬俊朗氏が代表理事を務める団体では、15人制や7人制(セブンズ)、車いすラグビーといった一般になじみのあるものから、10人制ラグビー、デフラグビー、ブラインドラグビー、タッチラグビー、タグフットボール、ビーチラグビーまで、「ラグビー」に分類されるあらゆる競技が協力し、競技の持つ魅力を広く社会に伝えていくことを目的とする。

デフラグビーの普及を目指している大塚貴之さん【写真提供:JDRFU】
デフラグビーの普及を目指している大塚貴之さん【写真提供:JDRFU】

「One Rugbyの絆」連載最終回、デフラグビー日本代表・大塚貴之さんが語る魅力

 日本ラグビー界に新たなうねりを起こすべく立ち上がった「NPO法人One Rugby」。元日本代表主将の廣瀬俊朗氏が代表理事を務める団体では、15人制や7人制(セブンズ)、車いすラグビーといった一般になじみのあるものから、10人制ラグビー、デフラグビー、ブラインドラグビー、タッチラグビー、タグフットボール、ビーチラグビーまで、「ラグビー」に分類されるあらゆる競技が協力し、競技の持つ魅力を広く社会に伝えていくことを目的とする。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

「One for all, all for one」の精神で1つのボールを全員でゴールまで運び、試合終了の笛が鳴れば、敵味方関係なく互いの健闘を称え合う。ダイバーシティ=多様性のスポーツと言われるラグビーが、現代社会に提供できる価値は多い。「THE ANSWER」では、「One Rugby」を通じてラグビー界、そして社会が一つになれることを願い、それぞれのラグビーが持つ魅力を伝える連載「One Rugbyの絆」をお届けしている。

 最終回となる第6回は、聴覚障がい者がプレーするデフラグビーだ。日本聴覚障がい者ラグビーフットボール連盟(JDRFU)で理事を務めながら、日本代表選手としてプレーし、さらにNPO法人ワイルドナイツスポーツプロモーションでデフラグビーの強化、普及を目指している大塚貴之さんに聞く。

 ◇ ◇ ◇

 世界ではヨーロッパやオセアニアを中心に、約20か国でプレーされているというデフラグビー。日本では、1995年にJDRFUの前身となる「日本聴覚障害者ラグビーを考える会」が発足し、少しずつ活動の幅を広げてきた。大塚さんによれば現在、国内での競技人口は30人ほど。OBを含めれば50人を数えるというが、決して競技人口が多いスポーツだとは言えない。

 それでも、2002年には日本代表チームを結成し、第1回デフラグビー世界大会(ニュージーランド)に参加、7人制部門で準優勝を飾った。快進撃を見せた日本代表は「クワイエットタイフーン」と呼ばれ、その後は国内外で経験を積んで研鑽。2018年に開催されたデフラグビー7人制世界大会では、4位入賞と健闘した。

 なぜデフラグビーは競技人口が少ないのか。その理由について、大塚さんはこう語る。

「聴覚障がいを持つ人の多くは、子どもの頃にろう学校に通っています。でも、ろう学校は生徒数が少ないので、野球や卓球、陸上をする人が多く、ラグビーのような大人数のスポーツはできません。ろう学校にラグビー部は全くありません。大きな声で話せば分かる聴覚障がいの軽い人は、地域のラグビースクールで聞こえる人の中でプレーする人もいますが、それは全体の4割くらい。デフラグビーをする人の6割は、大人になって始めた人です」

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
スポーツ応援サイトGROWING by スポーツくじ(toto・BIG)
DAZN
Lemino
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集