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W杯大金星、日本バスケ史で語り継がれる河村勇輝の衝撃 渡邉拓馬「後半連続3Pの布石も見逃せない」

バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は27日、1次リーグ第2戦で世界ランク36位の日本が同24位のフィンランドに98-88で勝利。17年ぶりのW杯勝利という歴史的1勝を挙げた。最大18点差がありながら、10点ビハインドで迎えた最終クォーター(Q)に逆転勝ち。元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)は立役者となった河村勇輝のインパクトを「日本のバスケット史で後世まで語り継がれるもの」と評した。(構成=藤井 雅彦)

フィンランド戦に出場した河村勇輝【写真:Getty Images】
フィンランド戦に出場した河村勇輝【写真:Getty Images】

バスケットボールW杯1次リーグ第2戦

 バスケットボールのワールドカップ(W杯)日本・フィリピン・インドネシア共催大会は27日、1次リーグ第2戦で世界ランク36位の日本が同24位のフィンランドに98-88で勝利。17年ぶりのW杯勝利という歴史的1勝を挙げた。最大18点差がありながら、10点ビハインドで迎えた最終クォーター(Q)に逆転勝ち。元日本代表・渡邉拓馬氏(京都ハンナリーズGM)は立役者となった河村勇輝のインパクトを「日本のバスケット史で後世まで語り継がれるもの」と評した。(構成=藤井 雅彦)

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 渡邊雄太選手や馬場雄大選手の涙を見て、僕ももらい泣きしてしまいました。彼らが海外でプレーしているのは、自分自身のキャリアのためだけでなく日本のバスケットを強くしたいという思いがあるはず。前回のW杯で結果を残せず、東京オリンピックでも勝てなかった。そういった背景があったからこそ、勝利した瞬間にいろいろなことが脳裏をよぎったのでしょう。素晴らしい光景でした。

 まずドイツ戦の後半に見せたインテンシティで試合に入れたことがとても大きかった。この試合でもスターターに抜てきされた原修太選手がしっかりプレッシャーをかけてディフェンスの流れを作り、富樫勇樹選手は冷静にゲームのリズムを作る。課題だったオフェンスも縦方向、中方向にしっかりアタックできていて、技術的にもメンタル的にも反省点を修正できていました。

 序盤、ポイントゲッターとしてチームを支えてくれた比江島慎選手はさすがのプレーでした。彼が持っているバスケットセンス、そしてシュートテクニックを存分に発揮し、第1Qだけで9得点。第3Qにはゴール下でラウリ・マルカネン選手のオフェンスファウルを誘発するなど、ベテランらしいパフォーマンスだったと思います。

 第2Qはフィンランドも日本の守備にアジャストしてシュート成功率が上がり、反対に日本は得点できる選手が出てこなくて停滞しました。でも、これが第3Qや第4Qではなくて良かった。バスケットは40分間の中で流れがほぼ平等に来るスポーツ。そのタイミングでいかに得点を奪うかが鍵で、勝負どころはまだ先でした。

 過去の日本であれば、第3Qで点差を離されていたかもしれません。チームを救ってくれたのは22歳の富永啓生選手。ドイツ戦ではプレータイムが少なく、気持ちを維持するのが難しかったでしょう。それなのに強気な姿勢を貫き、とんでもないタイミングで3Pシュートを決めた。異次元のメンタルを感じました。W杯という大舞台のゲーム後半、相手にリードを許している場面であのシュートを決める。今後どれだけ上のステージへ行く選手なのか、末恐ろしいです。逆転圏内の10点差で第4Qに進めたのがとても大きかった。

 最終Qに見せた河村勇輝選手のプレーはあっぱれでした。まさしくゾーンに入っている状態です。25得点9アシストという数字もさることながら、残したインパクトは日本のバスケット史において後世まで語り継がれていくものだったと思います。

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