競泳開幕まであと14日―男子200＆400ｍ個人メドレーのレオン・マルシャンが来日

　14日に開幕する水泳界の“世界一決定戦”世界水泳福岡（テレビ朝日系で中継）に向け、男子200＆400メートル個人メドレーなどに出場予定のレオン・マルシャン（フランス）が9日、来日した。前回大会では怪物マイケル・フェルプスが持つ最古の世界記録に肉薄した21歳の新怪物。羽田空港で取材に応じ、大会を心待ちにした。

　2001年以来22年ぶりの日本開催。競泳開幕まであと14日に迫り、マルシャンが来日した。14時間のフライトを終え「まあまあ疲れている」としながらも、「でも、ようやく来られて気持ちは上がっているよ」と大会を心待ちにした様子。コンディションについては「3週間前の国内選考会後は疲れたけど、でも戻ってからも練習重ねているから2週間後には大丈夫かと」と明かした。

　父・グザビエさんは1996年アトランタ五輪、2000年シドニー五輪に出場し、1998年世界水泳パース大会では200メートル個人メドレーで銀メダルを獲得。母セリーヌ・ボネさんも1992年バルセロナ五輪に出場した。

　水泳一家に生まれたマルシャンは19歳で21年東京五輪に出場。400メートル個人メドレー予選でフランス新記録をマークしたが、決勝は6位でメダルに届かず。他3種目はいずれも決勝進出できなかった。東京五輪後に「環境を変えたい」とアリゾナ州立大に留学。フェルプスを指導したボブ・ボウマンコーチに師事し、世界的選手になるまで成長を遂げた。

「僕は凄いアニメガイ（アニメ好き）なんだ」と公言する21歳。自宅には多くの日本漫画が並び、この日の空港では日本の取材陣から大好きなドラゴンボールのグッズをプレゼントされた。

　受け取る際には「マジかよ！」と驚きを隠せない。主人公・孫悟空が描かれたトートバックやアイマスク、フィギュアに「Great！　使います」と感激。「悟空だ。凄い。ドラゴンボールは僕が最初に出会った日本の漫画です」。さらに「スーパーサイヤ人になれそう？」との問いかけには、「やってみるよ！（笑）。（バッグを指さしながら）決勝でこいつになれるようにします」と冗談を飛ばし、カメラに向かってかめはめ波ポーズを披露した。

　昨年世界水泳400メートル個人メドレーで金メダルを獲得。フェルプスが持つ世界最古の世界新まであと0秒44まで迫る世界歴代2位（4分04秒28）の記録だった。この夏、福岡で歴史が動くかもしれない。

◆世界水泳　7月14日にアーティスティックスイミング（AS）、飛込から開幕。水球、オープンウォーター、ハイダイビングも行われる。同23日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波にて最終日まで8夜連続生放送。ASはBS朝日、飛込はCSテレ朝チャンネルで生放送。