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日本に女性エリートコーチが少ないのはなぜ スポーツ界で固定された“男女の構図”とは

伊藤教授が女性エリートコーチを支援する理由とは【写真:中戸川知世】
伊藤教授が女性エリートコーチを支援する理由とは【写真:中戸川知世】

伊藤教授が女性エリートコーチを支援する理由

井本「男性である伊藤先生が、女性エリートコーチ育成を支援するのはなぜですか?」

伊藤「僕は女性の活躍を応援したいのはもちろんですが、すべての人に機会が均等になっていないことがよくないと考えています。例えば、仕事をする・しないや、出世する・しないなどは、性別に関わらず自分の意思で選べるべきです。

 女性だからといって、やりたいことができないのはまずい、というのが基本的な考え。もちろん、自分自身の選択として家にいることを選んでいる女性もいますから、そういう女性に対して『女性も外に出なきゃいけない』と強制することは違うと思います」

井本「昔は、女性は結婚や出産をしたら仕事を辞めなければいけない、という社会の風潮がありましたが、今は女性も、自分が望めばいろんな選択ができるようになってきました。それでも、まだまだいろんな障壁はありますよね」

伊藤「今のジェンダー問題の根幹は、実は男性か女性かに関わらず、一人の人間としての人権を認めているのかどうかにあると思います。僕は日本って、人権に対する意識が結構、薄いのではと感じているんですね」

井本「私も同感です。なぜ、そうなっていると考えますか?」

伊藤「社会全体をうまく回そうとしすぎてしまい、個人の人権に疎くなってしまったのかもしれません。しかし、その流れのなかで、女性がやりたいことを選べない、人としての権利を認めていない社会になっているのは良くない。

 先進国が豊かになるために途上国から搾取していいのか、という問題と全く同じで、誰かの幸せを誰かの犠牲に乗っ取って構築しようとする社会なんて、絶対におかしいですよね? ですから、女性も、自分が権利を奪われていると思ったらもっと怒らなくてはいけないですし、本来、ジェンダーの問題は、社会全体がものすごく真剣に取り組まなければいけない課題なんです」

井本「本当にそう思います。今、女性アスリートが抱える様々な問題・課題については議論が盛んになってきていますが、先生が取り組まれている女性エリートコーチ育成も、スポーツ界全体でもっと考えていかなければならないですよね。でもまだまだ、ジェンダーの問題を『女性の問題』とする風潮がスポーツ界にはあると感じています」

伊藤「そうですね。『女性の問題』ではなく、一人の人をどう大切にしていくのかを、みんなが一緒に考え、幸せになっていく方法を考えるべきです。皆がお互いに『幸せになろうね』と支え合えれば、みんなが幸せになれる社会になっていく。

 そういう意味で、エリートコーチのジェンダーバランスを変えていくためには、ただ女性コーチを育てるだけでなく、男性が頑張らなくてはいけないと、すごく思うのです。だから男性の僕がここで声を上げることは、結構、重要な意味を持っているんじゃないかなって」

井本「とっても重要ですよ! 貴重な存在です」

伊藤「より良い社会を目指すなら、みんなが幸せになれるなら、男性も動かなければいけない、という単純な理屈なんです。男性も女性も関係なく、リーダーシップを執る立場にある人みんなが、認識してやらなければいけない。今、海外の文献なども調べているなかで思うことです」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。

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