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「善行はスルーされ、挑戦は叩かれる」 SNSに批判の声も…“自称アイドル”活動の発信を続けるワケ――ゴルフ・菅沼菜々

今年のオフに開催した単独ライブでは、500人の席がいっぱいに埋まった【本人提供】
今年のオフに開催した単独ライブでは、500人の席がいっぱいに埋まった【本人提供】

「アンチが来たら一流」心の支えになったレジェンドの言葉

 彼女にとってアイドル活動は、単なる趣味の域を超えている。前編で触れた通り、彼女自身が絶望の中にいた時、アイドルの言葉に救われた。だからこそ、今度は自分が「誰かに元気を届ける存在」になりたいという強い使命感がある。「みんなで幸せになりたい」というシンプルな願いが、彼女を動かしていた。

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 アイドル活動の起点は、意外なものだった。

「きっかけは2022年のヨネックスレディスで見せた『体育座り』です(笑)。そのテレビ映像を誰かが切り抜いてSNSに載せてくれたのですが、それがちょっとバズったんですよ。『可愛い』と言ってもらえて。自分で言うのは痛いんですけど(笑)、その時『あれ? いけるかも』って思いました。単純なんですけどね」

 最初は150人規模のささやかなイベントから始まった。「みんなに元気が届いたらいいな」という思いで始めたライブは、次第に熱を帯び、彼女の「やりたいこと」が形になっていった。もちろん、華やかな活動の裏にはSNS上で批判の声もつきまとう。

「最近は開き直っています。私のことを好きな人だけ好きでいてくれたらいい。そもそも興味がなかったらコメントなんてしてこないはずだから、『あ、私に興味あるんだな』『ちょっと興味あるじゃん』と思うようにしています(笑)。(プロ野球の)レジェンドの篠塚和典さんに『アンチが来たら一流、有名になった証拠だよ』と言われた言葉が、すごく支えになっています。ゼロの人にはアンチも来ないですから」

 一方で、彼女は自分を「実はすごく気にしいで、繊細なタイプ」とも分析する。

「女子プロって、みんな気が強いじゃないですか。でも私は言えないタイプ。試合中、同伴競技者の動きが気になっても、嫌われるのが怖くて直接は言えないんです。練習場でも『私が我慢すればいいや』と自己犠牲をしちゃう。ライブの後も『つまんないと思ってる人いないかな』とずっと気にしています」

 自分らしさを貫く一方で、彼女が4年前から継続しているのがパラスポーツへの寄付活動だ。

「私、ボランティア活動とか好きなんです。人のためになることが好き。所属先(あいおいニッセイ同和損保)の縁もあって始めましたが、毎年続けています。でもね、ここで面白い発見をしたんですよ」

 彼女はいたずらっぽく笑う。

「寄付の記事には、全然ヤフコメ(Yahoo!ニュースのコメント)がつかないんですよ。普段あんなに叩く人たちが、いいことをすると急に静かになる。『そこもアンチしろよ!』って思うくらい(笑)。善行はスルーされ、挑戦は叩かれる。でも、それが世の中なんだなって客観的に見ています」

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。著書に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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