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OL生活と並行、高騰ホテルで転戦も…早期負けなら「賞金0円」 ビーチバレーの厳しい金銭事情

自らスポンサー営業も行い、関口は競技費用を工面している【写真:本人提供】
自らスポンサー営業も行い、関口は競技費用を工面している【写真:本人提供】

自ら営業して回ってスポンサー2社と契約

 勤務する会社の給料だけでは地方の大会に参加することも難しい。空いた時間を見つけて自ら作成した名刺と資料を持って、スポンサー企業を募る営業を行う。「社長さんを見つけ次第、お会いしてお話して……」。現在は2社から支援を受けるが、それでも自己負担が多く、切実なお金事情は変わらない。

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 午前3時45分に起床し、午前6時から練習を行う日もある。週4回ほどは、砂浜での練習を継続。練習時間を増やし、遠征なども気兼ねなく競技に集中できる生活を望むが、現実的には厳しい。「交通費や遠征費をいただければ、赤字にはならない」と思いを口にする。

 今年で31歳。「ジャパンツアーで表彰台に上がりたい」という思いを胸に、一年一年に懸ける。生活も金銭面も楽ではない。それでも、アスリートとして挑戦をやめない理由は「ビーチバレーを本格的に始めてまだ4年目。『競技経験が浅くても、スポーツのブランクがあっても挑戦できる』という証明をしているつもり」という思いにある。

 競技と仕事を両立させるデュアルキャリアのロールモデルになるという情熱を持つ関口。さらに、ビーチバレーそのものの魅力ももっと広めていきたいという。

「私はバレーボールの経験が豊富だったわけではありません。でも、そんな自分でもビーチバレーでツアーに出場できて、結果も残せた。それが自信に繋がっている。『未経験でも挑戦できるスポーツなんだ』と伝えることで、興味を持ってくれる人を一人でも増やしたいし、ビーチバレーの魅力や可能性をもっと知ってもらえたらと思っています」

 どんな状況でも挑戦できる。唯一無二の30歳は、夢を追う後進たちの光となる。

■関口 希望 / Nozomi Sekiguchi

 1994年9月20日、栃木・宇都宮市生まれ。中1から始めたバレーボールで宇都宮市選抜に選出。宇都宮北高ではバレー部がなく、陸上競技でやり投げに専念。大学3年から2年連続で日本インカレに出場し、大学卒業を機に引退した。しかし、大手旅行代理店に勤務していた社会人時代にビーチバレーに魅了され、2022年8月に転向した。競技歴3年で国内ランク30位を記録。今年5月からインドアの実業団・東京スジリエでもプレー。身長170センチ。兄はDeNAなどで外野手を務めた元プロ野球選手・雄大さん。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)


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