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スタンフォード大、イェール大など 海外トップアスリートが一流大学を進路に選べる理由

EY Japanの佐々木・ジャネルさん【写真:回里純子】
EY Japanの佐々木・ジャネルさん【写真:回里純子】

日本人は「今の段階では、メンタリングで変えていくしかない」

井本「でもこの傾向を変えることは、かなり難しいですよね……。特に女性アスリートは、ジェンダーの価値観も影響しているのか、特に難しいと感じているんです」

佐々木「そうですね。私は今の段階では、メンタリングで変えていくしかないと思います。スポーツ界のロールモデルだけじゃなくてもいい。ビジネス界でのメンターやロールモデルを持ち、リーダーとして何かに挑戦することの素晴らしさを実感し、信じる。もちろん、そのインスピレーションは、WABNのネットワークだけでなく、周囲のいろんなリーダーたちから得られるものも大きいと思います」

井本「身の回りの人たちからの影響は大きいですよね。先輩たちの歩んでいる道から、将来の自分の方向性を考えたりすることが多いですから。女性アスリートのセカンド・キャリア形成のために、まずは今の若い女性アスリートのキャリア・トランジションを支えること、そして、彼女たちが今後次世代のためのロールモデルになれるように支援することは、本当に大切な一歩ですよね」

佐々木「その通り。一晩ですべての問題を解決することはできませんから、ベビー・ステップですよね。新しいチャレンジをしたいアスリートたちの支援から始めるしかありません」

井本「WABNアカデミーは、女性アスリートが競技引退後に、起業を含むビジネス分野への挑戦やキャリア転換のサポートを行うことを目的としています。ただ私は今の状況から、日本で女性アスリートが起業家になることを想像するのが難しくて。感じています。すみません、悲観的で」

佐々木「EYでは、グローバルのWABN参加者に対して調査を行っていますが、2018年は参加者のうち、20%が起業に興味を持っていました。それが今年は、グループのうち65%が興味を持っています。

 私は日本も、その流れに続くと思っています。今年のアカデミー参加者も、10人中2人は起業に興味を持っています。私は、起業家精神はもっともっと、一般化されてくると思っています」

井本「さすが、選ばれた10名だけありますね。頼もしい。でも『起業』と言われても、なかなかイメージしにくいのではないかと思うんです。起業ではなくて、ビジネスでの成功で良いのでは? 私が数年前に初めてこのプログラムについて聞いた時、大きな組織にいるのが心地よかった当時の私は、正直その言葉を敬遠してしまいました」

佐々木「そうですね。起業と言うより、“ビジネス界での成功”と言い換えた方がわかりやすいかも知れませんね。『起業家精神』という定義も重要です。私たちEYにとって『起業家精神』と言うのは、私たち全員の中にあると思っているんです。私は一企業で働いていますが、私は自分を起業家だと思っています。たとえば、私はこのWABNプログラムをスタートさせました。これは起業家精神に繋がるものです。井本さんは、一般社団法人を立ち上げましたよね。これも起業家精神です」

井本「そうか、『起業家精神』とはそういうことなんですね。私は多分、起業家という言葉自体、ビジネスのことだと思い込んでいて。ビジネスにあまり興味がない私にとっては、関係のないことだと思っていました」

佐々木「キャリアと一言でいっても、彼女たちが目指すキャリアにはたくさんの道があります。ビジネスリーダーや起業家として成功できれば素晴らしいですが、スポーツ団体の経営に入りたい人もいますし、井本さんみたいに国際機関で働いたり、NPOを運営する人もいる。それも一つの道です。

 その中で、事業をマネタイズ(収益化)するんです。社会貢献活動をするのにも、収益は必ず必要になるでしょう。ここにも『起業家精神』が必要です」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。

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