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レジ打ちバイトも経験した「遅咲き」の柔道人生 国立大進学、階級変更…五輪金メダルまでの転換点――柔道・角田夏実

3月8日が「国際女性デー」と国連で定められてから、今年で50周年を迎える。2021年から女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた特集「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を実施してきた株式会社Creative2は、節目の年となることを記念して、今年は「女性の生き方を考える」をテーマに運営する3つの媒体で企画を展開する。

パリ五輪日本勢1号で金メダルを獲得した角田夏実【写真:Getty Images】
パリ五輪日本勢1号で金メダルを獲得した角田夏実【写真:Getty Images】

「国際女性デー特集」第1回・角田夏実(柔道)

 3月8日が「国際女性デー」と国連で定められてから、今年で50周年を迎える。2021年から女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた特集「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を実施してきた株式会社Creative2は、節目の年となることを記念して、今年は「女性の生き方を考える」をテーマに運営する3つの媒体で企画を展開する。

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「THE ANSWER」では姉妹サイト「W-ANS ACADEMY」と連携し、各競技で世界のトップに立った経験がある3人の日本人女性アスリートにインタビュー。第1回は、昨夏行われたパリ五輪の柔道女子48キロ級で金メダルを獲得した角田夏実(SBC湘南美容クリニック)が登場する。階級変更を経て、31歳で夢を叶えた「遅咲きの柔道人生」のターニングポイントとは――。(取材・文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

 ◇ ◇ ◇

 日本時間7月28日、午前1時1分。パリ五輪で日本勢の金メダル1号が誕生した瞬間だ。

 女子48キロ級決勝。バーサンフー・バブードルジ(モンゴル)と対峙した角田は巴投げから技ありを奪い、そのまま優勢勝ち。東京から約9700キロ離れた花の都での快挙に、真夜中の列島が沸いた。対照的に、チャンピオンは畳の上で表情を崩さなかった。

「ホッとして、よかったという安堵感。嬉しいよりもやり切った感……。『終わった』という気持ちの方が強かったですね。これでやっと、終わったんだなって」

 31歳にして五輪初出場。畳を降り、二人三脚でやってきた今井優子コーチと抱擁。初めて流した涙の裏に、紆余曲折あった柔道人生が透けて見えた。

 ジュニア時代から脚光を浴び、若くして五輪の舞台に立つ――。そんな理想のキャリアを歩んだわけではない。中学、高校時代に全国大会に出場しているものの、主要大会で優勝するには至らず。千葉・八千代高の卒業を目前に、柔道を続けるかどうか揺れていた。

「もういいかな、お腹いっぱいだな」。競技引退に傾きかけた心を引き戻したのは、恩師・射手矢岬氏との出会い。彼が監督を務める国立の東京学芸大に進学したことが、角田の柔道人生1つ目のターニングポイントになる。

 同校はちょうど柔道部の強化を始めたタイミングで、決して強豪とは言えなかった。「楽しくやるくらいだからキツくないぞ」との誘い文句が逆に魅力的だった。「じゃあいいかなと思って(笑)」。週5日の練習は約2時間程度。合間にはコンビニエンスストア「ミニストップ」でレジ打ち、陳列のアルバイトもした。

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