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レジ打ちバイトも経験した「遅咲き」の柔道人生 国立大進学、階級変更…五輪金メダルまでの転換点――柔道・角田夏実

2度目のターニングポイントは階級変更「寿命を縮めているなと…」

 限られた環境だったからこそ“やらされる練習”はなく、自分で考えて能力を伸ばした。柔術家になったOBが一般にも開いていた寝技教室でひたすらスパーリングを行い、得意の寝技、関節技に磨きをかけた。

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 次第に柔道が「楽しい」という感覚が甦ってきた。

「自発的に出稽古に行ったり、トレーニングも各自という感じ。自分に何が必要か、大学時代から考えていたのは社会人になっても活きた部分でした」。大学卒業後、成績面でも開花。社会人2年目の2016年には女子52キロ級で講道館杯、グランドスラム東京大会で優勝を果たした。

 2017年には初の世界選手権で銀メダル。「自分の中では信じられないというか、周りも私にびっくりしていた」という快進撃だった。目標は東京五輪。急成長を遂げる角田だったが、女子52キロ級は日本国内に阿部詩、志々目愛ら難敵が揃っていた。

 代表争いで遅れを取った2019年11月、講道館杯から48キロ級に本格転向。今井コーチから「チャレンジした方が後悔は残らない」と後押しも受け、僅かな可能性に懸けた。

 減量幅も4キロ大きくなる。最初は不安で2か月ほどかけて調整したところ、筋肉量が落ちてリカバリーできない失敗を経験した。現在は水抜きも行い、約1か月で6~7キロほど落とす。「寿命を縮めているなと思いながら」と表現するほど過酷だ。

 この階級変更が柔道人生2度目のターニングポイント。結局、東京五輪代表には選ばれなかったものの、21年から世界選手権3連覇を達成。パリ五輪でも世界の頂点に立ち、決断が正しかったことを証明した。

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