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産前の飛行機移動も「いつまでなら大丈夫か」 妊婦として体験した“ママアスリートの課題”

パラスキーのママアスリートとして道筋をつける――。クロスカントリースキー、バイアスロンで活躍する阿部友里香は、それを“使命”の一つとして捉えている。

クロスカントリースキー・バイアスロンの阿部友里香【写真:荒川祐史】
クロスカントリースキー・バイアスロンの阿部友里香【写真:荒川祐史】

パラスキーのママアスリート・阿部友里香の“使命”

 パラスキーのママアスリートとして道筋をつける――。クロスカントリースキー、バイアスロンで活躍する阿部友里香は、それを“使命”の一つとして捉えている。

【前編】「何か変えられないかな」 人生を豊かに変えたパラスキーとの出会い / クロスカントリースキー・バイアスロン 阿部友里香選手インタビュー(GROWINGへ)

【後編】出産後も活躍できる事例に パラスキー選手がめざす育児と競技の両立 / クロスカントリースキー・バイアスロン 阿部友里香選手インタビュー(GROWINGへ)

 彼女はスキーの強豪校として知られる岩手・盛岡南高時代、2014年のソチ冬季パラリンピックに出場してクロスカントリー・クラシカルで8位入賞を果たすと、平昌、北京とここまで3大会連続で出場中だ。2021年に結婚し、2023年4月に第1子を出産。現在は育児とトレーニングを両立する難しさに直面しつつも、30歳で迎える2026年のミラノ・コルティナダンペッツォパラリンピックに向けたチャレンジをスタートさせている。

「今後のためにも、出産後に復帰して活躍する事例をつくっていければ。それに出産してからパラスポーツをやってみたいっていう女性だっていると思うんです。子どもがいるからって諦めてしまわなくてもいいように、私が今そうやって示すことができる立場に一番近いわけですから、やっていかなきゃなって。

 試行錯誤しながらも、私はいろんな方のサポートを受けてきて本当にありがたかった。出産で競技を諦めてしまう人が増えたら、ただでさえ競技人口が少ないのに、減ってしまうことにもなりかねませんから」

 産前、産後トレーニングを計画的に、かつ順調に進めてきた。

 西別府病院スポーツ医科学センターのセンター長を務める松田貴雄医師のバックアップを受け、妊娠4か月目になっても合同の強化合宿に参加することができたという。一方、日本障害者スキー連盟の女性スタッフが集まって“チーム”がつくられ、相談できる窓口ができたのも大きかった。国立スポーツ科学センター(JISS)の女性アスリート支援プログラムをもとに出産ギリギリまで体を動かすことができた。

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二宮 寿朗

1972年生まれ、愛媛県出身。日本大学法学部卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2006年に退社後、「Number」編集部を経て独立した。サッカーをはじめ格闘技やボクシング、ラグビーなどを追い、インタビューでは取材対象者と信頼関係を築きながら内面に鋭く迫る。著書に『松田直樹を忘れない』(三栄書房)、『中村俊輔 サッカー覚書』(文藝春秋、共著)、『鉄人の思考法~1980年生まれ戦い続けるアスリート』(集英社)、『ベイスターズ再建録』(双葉社)などがある。

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