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「月経の話」はタブーの日本 五輪選手と産婦人科医が「女性と思春期」の今を考える

水泳の授業は「生理で休むのは仕方ないよね」という風潮

伊藤「『生理中に泳いじゃいけないんですか?』とよく言われますが、泳げますよね」

江夏「未だにそんなことも言われますね。30年近く前から産婦人科学会や日本臨床スポーツ医学会では泳いでいいと指針を出している。それなのに全然、広まらなくて、学校の授業でも『生理で休むのは仕方ないよね』というような位置づけになってしまっています」

伊藤「もちろん、無理しなくていいけど、『泳げるよ』とは生徒に伝えています。男の先生は分からないから『休んでいいよ』と言うけど、別に病気じゃない。もちろん、体がすごく冷えるとか、2日目で本当につらい場合はやらせませんが、貧血にならずに支障がない程度ならやってもいいと思います」

江夏「私は性教育で必ずそのことを入れています。すると、感想文に『泳いでいいと知って驚きました』と書く子が何人か絶対いる。まだここか、という印象です」

伊藤「私は小中学生の子を見る機会も多いので、結構、親御さんに相談も受けます。『何て言えばいいんですか、子供に……』と。誰に聞けばいいかわからないという方が多いんです。東京都で講演した時も親御さんが多かったし、男性の先生は『生徒に言えなくて……』と言う。別に、管理しようと思うのではなく、先生たちが知っていればいいんじゃないかと思います。そういうことなんだって知っていないと生徒にも選手にも言えないですから」

(明日29日の第2回は「ピル服用のメリット、デメリット」)

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伊藤 華英

 日本代表選手として2012年ロンドン五輪まで日本競泳会に貢献。2004年アテネ五輪出場確実と騒がれたが、選考会で実力を発揮できず、出場を逃す。水泳が心底好きという気持ちと、五輪にどうしても行きたいという強い気持ちで、2008年女子100m背泳ぎ日本記録を樹立し、初めて五輪代表選手となる。

 その後、メダル獲得を目標にロンドン五輪を目指すが、怪我により2009年に背泳ぎから自由形に転向。自由形の日本代表選手として、世界選手権・アジア大会での数々のメダル獲得を経て、2012年ロンドン五輪・自由形の代表選手となる。2012年10月の岐阜国体を最後に現役引退。

 引退後、ピラティスの資格取得とともに、水泳とピラティスの素晴らしさを多くの人に伝えたいと活動中。また、スポーツ界の環境保全を啓発・実践する「JOCオリンピック・ムーヴメントアンバサダー」としても活動中。

江夏 亜希子

1970年、宮崎・都城市生まれ。96年に鳥取大学卒業後、鳥取大学産婦人科に入局。鳥取大学医学部附属病院、公立八鹿病院(兵庫県)、国立米子病院(現・米子医療センター)などの勤務を経て、04年に上京。汐留第2セントラルクリニック、イーク丸の内、ウィミンズウェルネス銀座クリニックにて女性外来での診療を経験する傍ら、東京大学大学院身体教育学研究科にてスポーツ医学を学び、10年4月に東京都中央区に四季レディースクリニックを開院。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクターなど。日本エンドメトリオーシス学会、日本性感染症学会、日本臨床スポーツ医学会にも所属する。

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