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燃え尽き症候群の予防にも必要 女子選手のコンディションの指標になる3つの数値

心拍数は必ず、起床時に横になったまま計ります。手首の親指の延長線上あたり(橈骨動脈)に人差し指、中指、薬指を置き、15秒間、何回脈を打ったかを数え、さらに4倍にした数が心拍数【イラスト:きくち りえ(Softdesign LLP)】
心拍数は必ず、起床時に横になったまま計ります。手首の親指の延長線上あたり(橈骨動脈)に人差し指、中指、薬指を置き、15秒間、何回脈を打ったかを数え、さらに4倍にした数が心拍数【イラスト:きくち りえ(Softdesign LLP)】

1週間で分かる「普段の自分」の心拍数

 基準となるのは安静時の心拍数で、脈拍から算出できます。計り方は、

1)朝、目覚めたら布団に寝たままの状態で、一方の手首の親指の延長線上あたり(橈骨動脈)に、もう一方の手の人差し指、中指、薬指をつける。
2)指先に脈を感じたら15秒間、「ドクドク」と何回、脈を打つかを数える。その回数を4倍にした数が安静時の心拍数(平均は1分間に70拍程度)。

 試しに今日から1週間、脈拍数を観察してみてください。計り続けると普段の自分の心拍数がわかってきます。

 そして、ゆっくり眠れた翌朝や、「疲れているな」と感じる日などに、心拍数に注目を。「自分が感じている調子」と「数値」の両方から、その日のコンディションをみていくことが重要です。

 注意したいのは、普段よりも5拍以上高い数値が出た日。自覚がなかったとしても、高い数値は体が疲れている、という信号です。練習で無理をすれば、ケガをする恐れが高くなります。また、数値から疲れが見て取れる日は、たとえ思うように動けなくても、落ち込んだり、できない自分を責めたりしないでほしいのです。

 体と向き合い、「疲れは気のせいではない」と自分で気づくこと、理解することは、長い目でみればオーバートレーニングや、燃え尽き症候群の予防にもなります。これは、トップアスリートでなくても、スポーツを長く、楽しく続けるうえで、とても大切なことなのです。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)


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須永 美歌子

日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)、『1から学ぶスポーツ生理学』(ナップ)

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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