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「苦しくても走れ」って誰が決めたのか “続かないランニング”を習慣化させる方法

コース設定の秘訣は「短い」「長い」2つのコースを用意すること

 さて、次はコースです。スタートとゴールは自宅に設定。そして、1キロコースと3キロコースなど、短い距離・長い距離の2つを設けます。重要なのは、高い目標を掲げるだけでなく、低いハードルを設定すること。これだけで「疲れていても、とりあえず家を出てみよう」という気持ちを促します。

 また、2コースとも、途中までは同じ道のりにしましょう。分かれ道までは、「どっちのコースにしようかな」と考えるアイドリングタイム。すると、走る前は「1キロでいいや」と思っていても、「今日は調子がいいな」「気持ちがいいかも」と心が変化し、長い距離を走りたくなることがあります。

 私自身も、自宅周辺に6キロと12キロのランニングコースを設定しています。仕事で帰宅が遅くなると、トレーナーの私でさえ「今から1時間近く走るのはツライなあ…」とヤル気が起きません。このとき長距離コースの設定だけだと、「今日はやめよう」と確実に休んでしまう。でも短いコースを用意しておけば、「30分ならいけるかな」という気持ちになれる。結果、30分だけ走ったとしても、「今日も走れた」という成功体験になり、続けられる自信にもなるのです。

 運動を習慣にするために必要な条件は、「根性」や「忍耐力」ではありません。重要性(自分にとって大事だと認識すること)と自信(できる見込み)です。この2つがカチッとハマれば、誰もが必ず、運動も続けられます。ヤセたい、体力をつけたい、健康診断の数値がよくなりたい。でも、何キロ走らなきゃ、何分で走らなきゃ、と勝手に高いハードルを掲げるから続かない。むしろ、思いっきりハードルを下げて、「この方法だったらできるかな」と思える目標設定や環境を作りましょう。

 まずは気軽な気持ちで、1回、2回、家の周りを走ってみてください。その瞬間から、あなたの新たなランニング習慣がスタートします!

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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