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なんで体幹トレって重要なの? アスリートもダイエット民も、理解すべき人体の構造

背骨がしなやかでムチ化している人はケガ、痛みのリスクが減少

 まず、体幹部には筋肉がたくさんありますから、鍛えれば代謝を促進して痩せやすくなります。また、体幹には大胸筋、僧帽筋、広背筋、三角筋など、腕や肩甲骨を動かす筋肉がついていますが、これらの筋肉は体幹の使い方によって、活動が変わります。ですから体幹をうまく使えたり、強く使えたりする方が間違いなくトレーニングの幅が広がりますし、それぞれを鍛える効果も高まるのです。

 そして、健康面でも体幹の力は重要。長時間同じ姿勢を維持する際、頑張って背骨を支えているのは体幹部の筋群です。これらの筋肉が自在に使えれば、姿勢の保持に余計な力を使わなくなりますし、強ければ結果的に筋持久力も伸びる。日々の生活を送る上でも疲れにくくなり、体が楽になるでしょう。

 さて、筋肉には強い力を発揮したり見た目のシルエットを作ったりする表層の筋肉と、骨の近くにある深層の筋肉(俗に言うインナーマッスル)の2つに分けられます。今回は、身体の屋台骨である背骨に付着する体幹部のインナーマッスルについて、もう少し突っ込んでお話ししましょう。

 背骨(脊柱)は1本の骨ではなく、「頚椎」「胸椎」「腰椎」に分けられる24個の椎骨と1個の仙骨が連結したものです。これを一つ一つつなぐのが、背骨にごく近い体幹のインナーマッスルです。

 骨をつなぐ一つ一つの筋肉が強ければ、強くしなやかに動かせるということになります。インナーマッスルがうまく使える人は、背骨の動きも多様であり、背中をムチのようにしなやかに動かせます。ムチを打つと、先端は速すぎて動きが見えませんよね? 背骨を強くしなやかに動かせるということは、ムチの先端のようなスピードを作るためにとても大切なのです。また、背骨がしなやかでムチ化している人は、ケガや痛みのリスクも少なく、力の増幅もうまくいきます。スポーツにもボディメイクにも健康にもいいのです。

 ところが、人間は背骨をしなやかに動かす使う機会をどんどん失っています。特に座り仕事が多い人は、体幹を大きく動かすシーンがほぼありません。そのため、運動する機会のない方ほど、インナーマッスルが弱く、うまく使えなくなっている可能性が高い。だから、わざわざ体幹トレーニングで使い方を学びましょう、となるのです。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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