人種を超えた“無償のバスケ愛” NBAファンが24年貫く信念「バスケは地球最高の…」
自身の財団設立で子供たちを試合に招待、バスケコートの建設も
多民族国家と言われるカナダでも、多種多様な人種が集まるトロント。言語、容姿、宗教も異なるが、「世界で最も住みやすい都市」で上位常連の土地でもある。バティアさんは、その魅力について少し自慢げに語った。
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「世界最高の国だ。34年前に来る機会をくれた。最も多様性があり、最も平和な国なんだ。人々は愛をもって暮らし、調和がとれている。トロントは美しい町。人々は優しく、(人種面で)多様性がある。世界中の様々なところから人々がこの町へやって来る。日本人、フィリピン人、インド人、中国人、パキスタン人…世界で最も多様性のある国。人々はとても優しくて、正直。それにトロントは世界最高の食の町でもあるんだよ」
ただの熱烈な名物おじさんというわけではない。元々はカーディーラーで、仕事がうまくいかない時代もチケットを買ってコートに駆け付けた。業績を上げ、今では2つのカーディーラー会社のオーナー。さらに非営利の「Nav Bhatia Superfan Foundation」を設立し、自身のグッズなどを販売する。
カナダだけでなく、世界中の子供たちのため、収益は全てバスケットコートやキャンプを行うための資金にしているそうだ。ラプターズのホームゲームにも、毎試合のようにたくさんの子供たちを招待する。「バスケを好きになってほしいからさ。それにお互いに関係性を築いてほしい。そうすれば差別はなくなるはず。バスケを一緒に見たいと感じ、お互いを好きになるだろ?」。トロントでの暮らしが影響を与えているのかもしれない。
16年ぶりに日本で行われたNBA。選手はもちろん、DJ、チアリーダー、ダンスパフォーマー、マスコットキャラクターもスタンドに向かって熱を発する。2試合で4万人が集まり、世界最高峰のプレーで会場には一体感が生まれた。その一人となった名物ファンの“ターバンおじさん”は、柔和な笑みで語った。
「バスケットボールを愛している。私は“トロント出身”だからラプターズが好きなんだ。バスケは地球上最高のエンターテインメントさ。そして、人々を一つにするんだよ」――。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)