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日本は本当に大丈夫なのか 「41失点」という数字に見た、W杯成否を占う分水嶺

ラグビー日本代表は6日、「リポビタンDチャレンジカップ2019 南アフリカ戦」(熊谷ラグビー場)に臨み、7-41と大敗した。ワールドカップ(W杯)前の最終テストマッチで、“4年前の再現”どころか34点差をつけられた。本番へ向けて不安を残す結果となったが、20年以上にわたり楕円球を追い続けているラグビーライター吉田宏氏の目にはどう映ったのだろうか。

日本代表はW杯前最後の試合で勝利ならず【写真:石倉愛子】
日本代表はW杯前最後の試合で勝利ならず【写真:石倉愛子】

南アフリカに34点差の大敗、ラグビー取材歴20年超の吉田宏氏の見解は

 ラグビー日本代表は6日、「リポビタンDチャレンジカップ2019 南アフリカ戦」(熊谷ラグビー場)に臨み、7-41と大敗した。ワールドカップ(W杯)前の最終テストマッチで、“4年前の再現”どころか34点差をつけられた。本番へ向けて不安を残す結果となったが、20年以上にわたり楕円球を追い続けているラグビーライター吉田宏氏の目にはどう映ったのだろうか。


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 ホスト国として迎えるワールドカップ前最後の実戦で、ジェイミー・ジャパンは厳しい現実を突きつけられた。

 4年前の大会では“史上最大の番狂わせ”を演じた南アフリカに7-41の完敗。かかげる8強入りという挑戦への課題が、浮き彫りになった黒星となった。

 ワールドカップでの8強入りへの絶対条件は、日本代表が入るプールA組での2位以上を確保すること。具体的には、アイルランド、スコットランドから少なくとも1勝が必要だ。9月7日の時点で世界ランキング10位の日本が、同2位のアイルランド、7位のスコットランドのいずれかを倒すための試金石と位置づけられたのが南アフリカ戦だった。

 ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は、試合後の会見で「強豪の南アフリカに対してチャンスを作ったが、自分たちのミスで逆にやられてしまった」と昨年11月のイングランド戦以来のテストマッチ黒星を振り返った。2戦連続の敗戦は許されない南アフリカは自分たちの最大の優位点であるフィジカルの強さを全面に押し出すラグビーを徹底してきた。個々の選手がしっかりと体を当てて相手とコンタクトして、防御では日本選手にゲインラインを越えさせない。日本のパワーハウスと期待されたNO8アナマキ・レレイ・マフィですら自慢の縦突破ができず、後半7分には負傷交代でピッチ外に押しやられた。

 常に世界で最もサイズのあるチームと言われてきた南アフリカ。当然、日本もフィジカルバトルでの苦戦は予期していたはずだ。だが、そのストレングスに加えて、日本が戦闘力を封じ込まれたのは、密集戦への人数のかけ方だった。

 試合を通じて、攻守にかかわらずブレークダウンに入る南アフリカの選手は1人ないし2人。多くても3人という場面が繰り返された。フィジカルの強さも生かして密集戦に人数をかけず、日本が2次、3次攻撃を重ねても数的優位が作れない。4度目のワールドカップとなるベテランLOトンプソン・ルークは「俺たちが、もうちょっと前に出ないといけない。勢いをつくって、早いボールを出してアタックチャンスを作らないといけない」と持ち味の攻撃面での苦境を説明していた。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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