「本当は特別じゃない」パリ女王・北口榛花が説いた大舞台の心得 欲→勝負のため…「70」への意識も変化
陸上女子やり投げの北口榛花(JAL)が7日、千葉市内で陸上教室「はるかなる教室 Supported by JAL」を行った。初心者と経験者の2クラスに分けて、学生たちを指導。質問コーナーでは、大舞台で結果を出すための心得を明かした。

「THE ANSWER 陸上PLUS|NEWS」 はるかなる教室 Supported by JAL
陸上女子やり投げの北口榛花(JAL)が7日、千葉市内で陸上教室「はるかなる教室 Supported by JAL」を行った。初心者と経験者の2クラスに分けて、学生たちを指導。質問コーナーでは、大舞台で結果を出すための心得を明かした。
北口が学生たちに伝えたのは、特別なことをしない大切さだった。
実技指導を終えた後の質問コーナー。参加者の1人から「大きな大会で結果を出せません。気持ちの面で、どんなことを思って世界と試合をしているのですか?」と問われた。まぶしい西日を浴びながら、北口は自身の考えを語った。
「大きい試合はみんな特別な気持ちを持って臨むと思う。だけど、本当は特別じゃない。特別なことをしないのが一番大事なこと。記録会だって、エリアの大会だってやることは変わらない。3投して、上位8人に残ったら、あと3投する。だから練習してきたいつも通りのことをする。大きい大会だから突然、早起きするとかしないで、いつも通り。特別だって思うと、力が出ない。だからいつもの試合と同じと思うことですね」
2023年世界選手権ブダペスト大会、2024年パリ五輪で金メダルに輝いた。大舞台こそ大切にしているのは、“普通”を貫くこと。自身が実践してきた考え方を、次世代の選手たちに伝えた。
この日の陸上教室では初心者16人、経験者10人を時間帯別の2クラスに分けて指導した。つま先でバランスよく立つ感覚をつかんでもらうため、かかとを浮かせた状態で止まる「だるまさんが転んだ」など、ゲーム感覚を交えた練習を実施。また投げる際に左手を大きく使う動作については「カーテンレールにかかったカーテンをひくように」と、日常生活の動きに例えて説明した。限られた時間で学生たちへ、技術と感覚を伝授した。

指導を通じて感覚を言語化することは、自身の感覚を見つめ直す機会にもなっているという。
北口は「人に伝えるって難しい。私は自分の動き、感覚を言葉にするのは得意ではないタイプ。自分もそういう練習だと思って、今日は臨んだ。また振り返ってみて、自分の感覚をどう表現したらいいのか、もう1回、考え直せたらいい」と笑顔で話した。
9月の愛知・名古屋アジア大会では62メートル70で銀メダルだった。金メダルは中国の18歳、厳子怡(ヤン・ツィイー)で、記録は70メートル46だった。北口の自己ベストは9月のアルティメット選手権で樹立した日本記録の68メートル92。さらなるレベルアップを見据える中で、70メートルの大台を目指す意味も変わってきた。
「今までは自分の欲のために、自分が投げたいと70メートルを目指してきた。でも、今は勝負のために70メートルが必要だと思っている」
自分自身の記録への挑戦から、世界で勝つための70メートルへ。参加者から直接受け取った応援の声も、来季に向けたエネルギーになる。9日からは冬季練習をスタートさせるという。
「まずは怪我なく過ごせるようにして、全体的に上げないといけない。まだまだ70メートルを投げられるためのベースができていないと思う。ベースアップが必要」
すでに27年世界選手権北京大会には、アルティメット選手権優勝により、通常枠とは別枠の出場資格「ワイルドカード」で出場権を獲得している。さらなる高みを見据え、シーズンオフの鍛錬に励む。
(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)
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