八村塁は大谷翔平になれるのか 熟練の米コラムニストが分析する3つのポイント
挑戦前の米国内における知名度は八村が上
第2に、大谷には米上陸時の謎めいたオーラが存在した。アメリカでもメジャー関係者や熱心なファンは大谷について熟知していたが、エンゼルスにやってくるまでは、多くのアメリカ人は二刀流の実像を捉えていなかった。
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しかし、NCAAのスターだった八村について、アメリカのバスケットボールファンは誰もが知っている。未知なるルーキーだった大谷に対して、すでに全国区の八村。インパクトを残すという部分において、現時点での知名度の高さは不利に働くだろう。
最も重要なことは大谷は唯一無二の存在ということだ。投打にメジャーでも最高レベルでパフォーマンスを見せる大谷だが、約100年前のベーブ・ルース以来、米国で誰も成し遂げることができなかった偉業だ。一方、バスケットボールは野球のような分業制ではない。結果として、大谷はどの競技においても、比類なき存在といえるのだから、NBAドラフトで上位指名を果たしたとしても、ルーキーシーズンに満足いく結果を残したとしても、八村が大谷と同等のインパクトを残すことは困難と言わざるを得ない。
カレッジバスケットボールの世界ではデューク大のザイオン・ウィリアムソンが八村よりも注目を集めている。そこにはデューク大という強烈なブランド力も理由にある。
八村はアメリカよりも、むしろ日本において、長期間におけるインパクトを残すかもしれない。来年オリンピックが東京で行われる。ハチムラはバスケットボール界に前人未到のフィーバーを日本で巻きおこすかもしれない。NBAで活躍できれば、それは間違いないところだろう。
(ジョセフ・ディポリート / Joseph D’Hippolito)