敗戦でも光った日本ハンドボール界の若き才能 徹底マーク翻弄、藤坂尚輝12得点でプロの意地【リーグH】
ハンドボール大同フェニックス東海のエース藤坂尚輝(22)が、異次元のプレーでスタンドを沸かせた。リーグHのプレーオフ(PO)準決勝が14日、東京・代々木第一体育館で行われ、男子レギュラーシーズン(RS)5位の大同は同1位のブレイヴキングス刈谷と対戦。31-40で敗れたものの、藤坂は変幻自在のシュートで相手ディフェンスを翻弄して両チーム最多の12得点をあげた。

リーグHプレーオフ準決勝
ハンドボール大同フェニックス東海のエース藤坂尚輝(22)が、異次元のプレーでスタンドを沸かせた。リーグHのプレーオフ(PO)準決勝が14日、東京・代々木第一体育館で行われ、男子レギュラーシーズン(RS)5位の大同は同1位のブレイヴキングス刈谷と対戦。31-40で敗れたものの、藤坂は変幻自在のシュートで相手ディフェンスを翻弄して両チーム最多の12得点をあげた。
藤坂がボールを手にするたびに、何かが起きた。司令塔としてパス回しの起点となり、相手ディフェンスの穴を見つけては抜群のスピードでシュートに持ち込む。上から横から下から、豪快なジャンプシュートに超速のクイックシュート。右手から放たれたボールが刈谷のネットを揺らすたびに、歓声が響き、ため息が漏れた。
試合開始直後から「藤坂劇場」だった。開始15分までに4得点し、強豪相手に8-11と食い下がる原動力となった。ところが、15分過ぎからコートを離れてベンチへ。不在の間に差を広げられ、前半で13-23と大量10点差をつけられてしまった。
相手に引き離されるチームをベンチで見て「早く出たかった。コートに立ちたかった」と話したが、藤坂と同じCBとして大同の黄金時代を引っ張った末松誠監督は「勝負どころにベストな状態で使うために、休ませた」。結果的に完敗につながったが、13得点した前日の1回戦レッドトルネード佐賀戦の疲れもあった藤坂は「連戦に耐えられる体力もつけないと」と話した。
もちろん、刈谷は徹底マーク。ラース・ウェルダーHCはミーティングで藤坂の名前を連呼したという。PV山田信也は「スピードに乗せると手に負えないので、しっかりつくこと、利き手側を守ることに集中した。それでも、何度かやられましたが」。ディフェンス力が武器の刈谷をも苦しめる藤坂の得点力。RB渡辺仁は「もう、リスペクトですよ」と、新世代のスターに舌を巻いた。