中谷潤人VS西田凌佑

　ボクシングのWBC＆IBF世界バンタム級（53.5キロ以下）王座統一戦12回戦が8日、東京・有明コロシアムで行われ、WBC同級王者・中谷潤人（M.T）がIBF同級王者・西田凌佑（六島）に6回終了TKO勝利した。西田が右肩を脱臼し、7回開始前に棄権となった。戦績は27歳の中谷が31勝（24KO）、28歳の西田が10勝（2KO）1敗。全勝王者同士の一戦を制した中谷に海外メディアも称賛を送っている。

　初回、中谷は出だしからいきなり強打を連発。場内をどよめかせる。西田も負けじと打ち合い、激しい王座統一戦のスタートになった。2回も中谷の左フックが顔面を捉えるなど接近戦が続き、無敗王者同士が幾度となく場内を沸かせた。5回に西田の右目が腫れ、チェックが入るなどダメージが徐々に見え始める。6回を終え、7回に入る前にレフェリーが試合をストップ。西田は右肩脱臼で棄権となり、中谷のTKO勝利となった。

　世界で最も権威あるとされる米専門誌「ザ・リング」は「ジュント・ナカタニは、リョウスケ・ニシダとの激闘の末にリングタイトルを獲得し、WBCとIBFのバンタム級を統一」との見出しで原稿を掲載。同誌のPFPでは7位に君臨する中谷の勝利を「3階級制覇の世界チャンピオンは、今や実力者ぞろいの118ポンドで統一を果たした」と称えるとともに、「ナカタニの猛烈なプレッシャーは、今年2月に無敗の挑戦者ダビド・クエジャルを3ラウンドで破ったときと同様に、無敗の相手にとって手に負えないものだと証明した」と圧倒的な内容だと絶賛した。続けて「ラウンド間のナカタニの笑みは不吉なものだった」と表現。中谷の表情に畏怖を感じたかのように試合を振り返った。

　米専門メディア「ボクシングシーン.com」は「ジュント・ナカタニは、リョウスケ・ニシダを6ラウンドで棄権に追い込みWBCとIBFタイトルを統一した」の見出しで詳報。「パウンド・フォー・パウンドで頭角を現したこの選手は、この瞬間を全く無駄にしなかった」と称賛した。「6ラウンド目、ナカタニに攻め込まれ、ニシダの状況はさらに悪化した。試合序盤は戦うという勇気ある決断をしたニシダだったが、もはや打つ手は残されていなかった。ナカタニのパワーショットに反撃する術もなく、守備に追われた」と西田目線で中谷の攻撃力の高さを伝えていた。