「お断りしたらご迷惑に…」 田中希実が異例の挑戦、ペースメーカーの1時間40分後に本番「その中でも勝負」【陸上セイコーGGP】
陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が18日、東京・国立競技場で行われる。17日は会場で一部選手が会見に臨んだ。女子1500メートルの日本記録保持者・田中希実(New Balance)は今大会、3000メートルのペースメーカー(PM)を務めた後に、同種目に出場するという異例のスケジュール。その中でも「中身にこだわったレースをしたい」と意気込んだ。

世界で戦うための選択も…競技順が逆になる試練
陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が18日、東京・国立競技場で行われる。17日は会場で一部選手が会見に臨んだ。女子1500メートルの日本記録保持者・田中希実(New Balance)は今大会、3000メートルのペースメーカー(PM)を務めた後に、同種目に出場するという異例のスケジュール。その中でも「中身にこだわったレースをしたい」と意気込んだ。
1500メートルは、2021年の東京五輪で8位入賞した得意種目。田中は「勝負に絡むことを目標にしている。世界で勝負している海外選手が揃っている中で、中身にこだわったレースをしたい」と力強く話した。そこで大きな挑戦となるのが、午後1時10分に行われる1500メートルの前に、午前11時30分スタートの3000メートルでPMを務めることだ。
田中がこのスケジュールを思いついたのは、昨年の大会で豪州の選手が1500メートルを走った後に、5000メートルのPMを務めていたのを見たのがきっかけだった。「1500メートルをしっかりと走った後にスタミナ系を入れていくことが、世界で戦う上で重要になると痛感した」と効果を感じての決断だった。
ただ、いざエントリーすると、PMで走る3000メートルが本番の1500メートルの前というスケジュール。「昨年とは入れ替わってしまっていて。ちょっと『どうしようかな……』と思った」と苦笑いだ。
それでも「PMをお断りしたらご迷惑になってしまう」と、参加をやめる選択肢はなかった。「そういう中でも勝負をするという気持ちが大事だと思った。できない言い訳をするのではなくて、決まったことに向かっていこうと思った」とあくまで前向きだ。
昨夏のパリ五輪では、日本記録を持つ1500メートルと5000メートルに出場。9月に東京で開催される世界陸上に向け、両種目の参加標準を突破している。「最近はラストで体が硬くなる。精神的か技術的か分からないけど、克服することが目標」。異例の挑戦を成長につなげていく。
(THE ANSWER編集部)