国内ツアーで「+35」も経験 海外メジャーVの西郷真央が見せた「どん底」から這い上がる気持ちの強さ
女子ゴルフの米ツアー・シェブロン選手権で海外メジャー初優勝を飾った西郷真央(島津製作所)が6日、成田空港着の航空機で帰国した。4日(日本時間5日)まで行われたブラック・デザート選手権に休みなしで出場したものの疲労を感じ、リフレッシュを兼ねた凱旋帰国。到着後は取材陣から祝福の花束を受け、次戦の海外メジャー・全米女子オープン(現地29日開幕)への意気込みを語った。そして、2022年秋から23年春まで経験した「どん底」状態に言及。その言葉から、這い上がった気持ちの強さを見せた。

シェブロン選手権制し凱旋帰国
女子ゴルフの米ツアー・シェブロン選手権で海外メジャー初優勝を飾った西郷真央(島津製作所)が6日、成田空港着の航空機で帰国した。4日(日本時間5日)まで行われたブラック・デザート選手権に休みなしで出場したものの疲労を感じ、リフレッシュを兼ねた凱旋帰国。到着後は取材陣から祝福の花束を受け、次戦の海外メジャー・全米女子オープン(現地29日開幕)への意気込みを語った。そして、2022年秋から23年春まで経験した「どん底」状態に言及。その言葉から、這い上がった気持ちの強さを見せた。
日本人女子5人目のメジャー覇者となっての帰国。西郷は笑みを浮かべながら、約30人の取材陣に対応した。だが、かつて経験した深刻なスランプからの復活について問われると、真顔で返した。
「自分ではスランプと言ったことはありません。ただ、これからもきっと、ああいった辛いことはあるかもしれませんし、そうなったとしても自分のやるべきことをやっていきたいと思います」
振り返ると、22年の西郷は開幕戦から出場10戦で5勝を挙げる快進撃を見せていた。その最中、首の寝違えが複数回あったことで「クビに負担のないスイング」を目指した。これが狂いを生じさせた。秋になり、日本女子オープンのラウンド中にショットの異変を自覚。その後はクラブを替えるなどして試行錯誤した。
違和感がある状態で出場したツアー最終戦・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップで、通算35オーバー。予選落ちのない試合で目を疑うような4日間合計スコアだった。ドライバーショットを放つと、球は右45度にプッシュ。アイアンショットもコントロールできなかった。あまりの変貌ぶりに関係者からは「ショットイップスになったのでは」との声も上がった。
翌年も「先の見えない感覚」は続いていたが、夏場に復調。「嫌な感覚」を払拭するべく、球筋を本来のフェードではなくドローのイメージに変えることを発想し、同年11月の伊藤園レディスで復活優勝を果たした経緯がある。4日まで千葉で行われた国内ツアーのパナソニックオープンレディースでは、菅沼菜々が同じく長い低迷から復調して優勝。ともに、今なお不調に悩む多くのプロにとっての希望となっているが、西郷は再びそうなったとしても「逃げない」ことをあらためて宣言した。
(THE ANSWER編集部)