「お前ならできる」 リング横の妻から檄、勝利後は…世界王者へボクシング飯村樹輝弥が雪辱成功
ボクシングの東洋太平洋フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチ12回戦が3日、東京・後楽園ホールで行われ、王者・飯村樹輝弥(角海老宝石)が同級1位エスネス・ドミンゴ(フィリピン)に3-0で判定勝ち(117-111×2、115-113)した。プロ唯一の黒星をつけられた相手に雪辱を果たし、初防衛に成功。セコンドの妻の檄を受け、世界を狙う。戦績は27歳の飯村が9勝(2KO)1敗、26歳のドミンゴが21勝(13KO)3敗。観衆は1277人。

東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦
ボクシングの東洋太平洋フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチ12回戦が3日、東京・後楽園ホールで行われ、王者・飯村樹輝弥(角海老宝石)が同級1位エスネス・ドミンゴ(フィリピン)に3-0で判定勝ち(117-111×2、115-113)した。プロ唯一の黒星をつけられた相手に雪辱を果たし、初防衛に成功。セコンドの妻の檄を受け、世界を狙う。戦績は27歳の飯村が9勝(2KO)1敗、26歳のドミンゴが21勝(13KO)3敗。観衆は1277人。
夫婦でベルトを守り抜いた。飯村はワンツーでリズムをつくった序盤。前戦そのままの勢いで来るドミンゴにあえて打たせた。「チームの作戦通り。後半勝負」。空振りを誘い、的確なブロックも。後半は足が止まった相手に対し、上下の打ち分けやアッパーなどで反撃。最終回の左フックで赤コーナー側の応援席がドッと沸かせた。「やっと止まっていた時計を動かせた」。3-0の完勝だ。
2022年10月に6回TKO負けした相手。「あの1敗が苦しかった。精神的に来ていた」。でも、再起を決断。練習内容を見直し、佐藤直樹トレーナーと一からつくり直した。「練習に対する姿勢を変えてくれた。負けて強くなれた」と感謝は尽きない。IBF4位に入る実力者を返り討ちにし、赤から緑に新調された東洋太平洋ベルトを大事そうに抱えた。
支えは一つじゃない。セコンドは元アマチュアボクサーの妻・真成美さん。「お前ならできる」。リングに上がる直前に背中を押された。アザのできた顔でベルトを持ち帰ると「お疲れ! 良く頑張ったね」と労いの言葉。昨年8月には長女が生まれた。「私だけでは考えられない案に助けられた」と真成美さんは陣営に頭を下げたが、飯村は「妻のセコンド技術も上がっている」と笑った。
陣営の小堀佑介会長は「12回まで集中して守れた。この先へ良いアピールできた」と世界挑戦へ高評価。同級はWBA&WBC王者・寺地拳四朗(BMB)が転級を見据えるものの、WBO王者アンソニー・オラスクアガ(米国)、IBF王者・矢吹正道(LUSH緑)など強敵揃いだ。WBA7位など全4団体で世界ランク入りする飯村は「まだまだ努力が足りない。さらに濃い努力をしていく」と飛躍を誓った。
(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)