メジャー殿堂入り後、日本でのイベント登壇は初

　米大リーグのマリナーズなどで活躍し、日本人初の米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏が5日、都内で行われたワコールが展開するコンディショニングウェアブランド「CW-X（シーダブリュー・エックス）」の新商品発表会に登場した。殿堂入り後、日本でのイベント登壇は初。終盤には同社の製品にまさかの“クレーム”を入れたが、結果的に最高の宣伝となり、会場を笑わせる場面があった。

　イチロー氏は、アドバイザリーパートナーを務める「CW-X」の製品をまとって登壇。キャプテンを務める「Team CW-X」の副キャプテンの福士加代子さん、スポーツ クライミングの石井未来、小倉紗奈に加え、新メンバーの演出家・野田秀樹氏と登壇した。51歳以上を対象としたスポーツテスト「OVER 51」の開催など新企画が発表されたほか、イチロー氏にそっくりなマネキン5体もお披露目。本人は「居すぎでしょ」と笑顔だった。

　米大リーグ移籍を決意した2000年秋、シーズンを戦い抜くために様々なメーカーの機能性ウェアを試着。「CW-X」を選んだことが始まりで、2002年には正式にアドバイザリー契約を締結するなど、25年以上のつながりがある。そんなイチロー氏が「僕はワコールさんに一つ、クレームがあるんですけど」と切り出し、こう続けた。

「あのね、品質が高すぎて長持ちしすぎるんですよ。うちの妻（弓子夫人）がですね、長袖のロングTシャツを普段着ているんですけど、それが20年毎日、家で洗って乾燥機かけて。毎日ですよ？　20年持つ商品を作っちゃったんです」

　驚きの物持ちの良さだが「消費者としてはどうですかね、2～3年持てば十分じゃないですか？　20年持たせたら次、回らないですからね。3年くらいでくたびれる商品を提案していきたいと思います」とまさかの発言。耐久性のよさを暗にアピールするイチロー流の宣伝で、会場を笑わせていた。