ブダペスト世界陸上

　ブダペスト世界陸上は25日（日本時間26日）、女子4×100メートルリレー予選が行われ、2組で前回女王・米国にひやりとするシーンがあった。2走から3走のバトンパスのタイミングが合わず、テイクオーバーゾーンぎりぎりに。競技後、2走を務めたトワニシャ・テリーは「速度を落として」と伝えながら、歓声の大きさから伝わっていなかったことを明かした。

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　肝を冷やしたのは、2走のテリーから3走のタマラ・クラークへのバトンパス。3走のクラークの走り出しがやや速く、距離ができてしまい、急激に減速。テイクオーバーゾーンのぎりぎりでテリーからバトンを受け取った。最終的に米国はシーズンベストの41秒59の組1着となった。

　米放送局「NBC」のストリーミングサービス「ピーコック」中継内ではスローVTRで確認し、2000年シドニー五輪男子100メートル銀メダリストのアト・ボルドン氏が規定ゾーンの黄色いマークを示しながら「Ohhhhhh！」と声を上げた。「Ohhh……あと10回見ても100％確実には言えないですね。分かりません。審判が判断するでしょうが、間違いなく疑いがあります」と冷や汗をかいた。

　米専門メディア「FloTrack」公式X（旧ツイッター）は、「トワニシャ・テリーとチーム米国が4×100メートルリレー予選での際どいバトンパスについて語った」との文面とともに動画を公開。テリーがこう語っている。

「タマラに伝えるのは私の役割だった。彼女は後ろが見えないから『速度を落として』と言ったけど歓声が大きくて彼女には聞こえていなかったと思う。だから諦めずに私は出来ることをやった。ゾーンのギリギリまで頑張って彼女に渡した」

　組5着だったポーランドの抗議を受けたものの、大会側は退け、米国の決勝進出が確定。前回大会でV大本命だったジャマイカを破った米国はヒヤヒヤのファイナル行きとなった。