G1ドバイシーマクラシックで逃げ切り圧勝

　競馬のドバイ国際競走は現地時間25日にアラブ首長国連邦（UAE）のメイダン競馬場で行われ、G1ドバイシーマクラシック（芝2410メートル）は2022年JRA年度代表馬のイクイノックス（牡4、木村、父キタサンブラック）が意表を突いた逃げの手に出て、直線も持ったままで後続を突き放して圧勝した。勝ちタイムは2分25秒65のレコード。これで昨年の天皇賞・秋、有馬記念に続くG1レース3連勝を飾ったが、競馬の本場である英専門メディアもあまりの圧勝劇に「日本には正真正銘の怪物がいる」と驚きをもって報じている。

【注目】CW-Xを川澄奈穂美選手がお試し　運動パフォーマンスを支える「股関節サポート機能」って？（W-ANS ACADEMYへ）

　名手クリストフ・ルメール騎手に導かれた日本の現役芝最強馬はどこまでも強かった。互角のスタートを切ったイクイノックスは、これまでの中団待機策ではなくハナへ。9頭を従えて気持ち良さそうにコーナーを回った。最終コーナーを回っても後続のジョッキーが懸命に手綱をしごく中、ルメール騎手は持ったまま。直線半ばで軽く促すと、あっという間に突き放した。ゴール前では減速する余裕を見せながら、勝ちタイムは2分25秒65のレコード。世界の強豪を全く問題にしなかった。

　驚愕の圧勝劇に英専門紙「レーシングポスト」は「日本には世界最高の馬がいる――そしてその馬は正真正銘の怪物だ」との見出しで記事を掲載。「チェルトナムフェスティバルはわずか1週間前のことで、ブロックルズビーのエントリーはまだなされておらず、アークも6か月以上先だが、今年フラットでイクイノックス以上の馬を見ることは全く起こりそうもないと自信を持って言える」と最大級の賛辞を送った。

　さらに「もし彼がメイダンで私たちに披露したものよりもスリリングなパフォーマンスを見ることがあるとすれば、私たちはスペシャルなものの中にいることになる」と続け、イクイノックスの進化に恐ろしささえ感じている様子も伝えている。

　競馬の本場である英国では依然として日本の競馬を“格下”に見る向きもあるが、同誌は「日本を世界で最強のレースの国と表現することは、以前にも増して議論を呼ばなくなってきている。日本が世界最高のサラブレッドを持っていないと主張することは完全にばかげている」と記し、日本のレベルアップを強調している。