原英莉花が抱えた黄金世代への劣等感 中学時代は「私じゃ無理」と予選会すら諦めた
試合用ボールに刻んでいる文字とは…
昨年6月に初優勝を遂げたが、攻める気持ちが強すぎるあまりダブルボギーで崩れる場面も目立った。知らず知らずのうちに気持ちが守りに入る。最近になって自分を見つめ直した。「自分の気持ちのいいプレーは攻めるプレーだと改めて実感した。(小祝)さくらちゃんのショットが上手でピンに絡めてバーディーをとるスタイルを見て、私も果敢にピンを狙っていきました」。最終日まで火花を散らした小祝にも刺激を受け、攻める姿勢を取り戻した。
どんな場面でも攻めるのではなく、攻めるべきところで持ち味を出す。“大人のゴルフ”も少しずつ備わってきた実感がある。「何が変わったかというと経験。たくさん試合を開催してくだっていて、それで傾向と対策を持てている。今、(畑岡と)同じトロフィーを持っていることを嬉しく思います。今も差はあるけど、詰められればいいな」
海の向こうで世界一を狙う仲間を視野に入れた。日本タイトル獲得で複数年シードを獲得。海外挑戦もしやすくなった。「大きいですね。やっぱり海外で戦いたいという思いもあるので、世界ランクを上げて向こうでQT(予選会)を受けることも考えたい。悩む材料ができたことが嬉しいですね」。今年の試合用ボールに刻んでいる文字は「get the chance」。一歩、一歩成長してきた21歳が、チャンスを掴むべく同世代に猛チャージをかける。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)