大谷翔平が全国の小学5年生に伝える“打撃の神髄” 教科書で説いた算数活用法…大人も驚き「痺れましたね」
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手が、日本の小学5年生に打撃の“真髄”を伝えていた。昨春から使用されている算数の教科書(東京書籍刊)の冒頭に「私と算数」というテーマで登場。幼い頃の学習が、いかに今のプレーに役立っているかを明快に語っているのだ。「大谷翔平×算数」という異色の掛け算はいかにして実現し、どんな狙いがあったのか。時々打席で見せる何かを計るしぐさには、どんな意味があるのか。編集者に裏側を聞いた。

教科書で語った「私と算数」打席の思考でもベースに
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手が、日本の小学5年生に打撃の“真髄”を伝えていた。昨春から使用されている算数の教科書(東京書籍刊)の冒頭に「私と算数」というテーマで登場。幼い頃の学習が、いかに今のプレーに役立っているかを明快に語っているのだ。「大谷翔平×算数」という異色の掛け算はいかにして実現し、どんな狙いがあったのか。時々打席で見せる何かを計るしぐさには、どんな意味があるのか。編集者に裏側を聞いた。
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画面の向こうの大谷からは、想像を超えた言葉がポンポン返ってきた。2021年の秋、初めてア・リーグのMVPを獲得した直後のことだ。超多忙な大谷と20分ほどのオンライン取材が実現。東京の編集部では大谷の言葉に、驚きの声が漏れた。
「痺れましたね……。質問は私がしたんですが、画面をのぞいていた皆が痺れていました。大谷選手が考えているプロセスが伝わってきて、すらすら言葉が出るんです」
こう話すのは、東京書籍数学編集部の清水成章さん。大谷は「打つ時の構え方はとても繊細で複雑なんですが、それをいったん単純な三角形に置き換えて、体重のかけ方や足の開きなどを考えることがあるんです」「バットの角度や速さなどを計り、自分の感覚とすり合わせながら練習をしていますね。数値化することによって、今の状態の理由を考えたり、次にすべきことを判断しやすくなるんです」などと、算数がいかに野球に役立つかを熱く語ってくれたという。清水さんと編集部のメンバーは、その思考や言葉選びに、いちいち驚かされた。
「野球に詳しくなくても理解できるんです。こんなにかっこいい、素晴らしい人なのかとみんな言っていましたよ。何より、算数を学習することの価値を、これほどわかりやすく示してくれるとは……。力任せではなく、論理的に成功するためのロジックと向き合い、実行されている。短い時間ですけど、圧倒されました」