[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

世界で最も睡眠不足と言われる日本の中学生 食が細い中2の娘に何を食べさせたらいい?

必要な食事量を食べるためのポイントは朝食

 さて、1日に必要な食事量を食べるためには、まず朝食をしっかり食べているかどうかがポイントになります。

 必要量の食事が摂れていない子どもに多いのは、朝食をほとんど食べないこと、あるいは欠食です。冒頭に触れた睡眠不足や慢性的な疲労とも深く関わりますが、出かけるギリギリの時間まで起きられないケースが目立ちます。

 朝食をしっかり食べるには、5分、10分でも早く起き、体の機能を目覚めさせることが重要です。そのためにはまず、1時間でも早く、就寝する生活を心がける必要があります。

 そして、朝食は本人がなるべく食べやすいものを用意。例えば、白飯を茶碗で食べるよりも卵かけご飯にする、おにぎりにすると食べやすいというならば、それを用意する、という具合です。

 昼食はお弁当の場合、ご飯を200gは詰めるようにします。中学生になると太ることを気にし始める方もいますが、昼食で摂ったエネルギーは、午後の授業と部活動で、使い切ってしまうことを伝えてあげてください。

 そして、夕飯は朝食・昼食で摂っていない食品を使うこと。すると、栄養バランスが整い、疲労回復にもつながります。部活で疲労困憊し、食欲がないということであれば、揚げ物、生クリームを使ったおかずは避けて消化のよいものを用意します。肉や魚、野菜をソテーする場合も油は控えめに。鍋もおすすめです。

 また、食の細いお子さんは1回に量を食べられません。学校の事情で難しい場合もありますが、可能であれば部活の前後に食べられる補食を持たせたり、コンビニエンスストアで買ったりして食べましょう。おすすめはエネルギー源となる小さなおにぎりや果物、スポーツバー、肉まん、あんまん。たんぱく源の牛乳、ヨーグルト、三角チーズや魚肉ソーセージ、プロテインバーなど。自宅でのおやつもアイスクリームやスナック菓子ではなく、これらの補食から、好きなものを選んで食べる習慣をつけると、栄養不足の心配も解消に向かいます。

 運動部の女子中学生が1日に必要な食事量は、エネルギー量に換算すると約2700kcal(日本人の食事摂取基準の身体活動レベルⅢ)です。

 一般的に不足しがちなのは、エネルギー源になる主食。質問者さんのお子さんは毎食、ご飯を茶碗半分程度しか食べないそうですが、できれば毎食茶碗に大盛り1杯(200g)は食べないと、必要量を摂れない計算になります。とはいえ、いきなりは食べられないと思うので、ご飯を毎食茶碗1杯 (150g)+補食におにぎりやパンなどの炭水化物を食べるよう促しましょう。また、女性の場合はカルシウム不足も顕著です。毎日、牛乳、ヨーグルト、大豆を意識して食べるようにすると補えます。

 最後に、中学生が1日に必要な食事量を簡単な食材例とともに記しました。長期間エネルギーが不足すると、持久力・集中力・筋力などの低下につながります。しかし、食生活の改善は、本人の意識がとても大事。強くなりたい、ケガをしたくない、あるいは楽しく部活動を続けたいという本人の気持ちから、考えて食べることの大切さを、ぜひ伝えてあげてください。

1 2 3

橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集