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サッカーで「劇的に伸びた」英語力 元Jリーガー中村亮が米国で起業を決意した瞬間

フル特待生の水準を視察、日本人でも十分にやれると確信

 着目したのは、米国の大学スポーツには、莫大な予算が計上されプロ並みの運営が行われていることだった。だが、実際にスタジアムへ足を運び、フル特待生としてプレーしている選手たちの水準を視察してみると、日本人でも十分にやれると確信できた。

「確かに彼らは『速い、高い、強い』というフィジカル能力には恵まれています。しかし止める、蹴るという技術や、日本人なら当たり前のように植え付けられているグループ戦術の理解度では劣っている。特にサッカーのスタイルが異なる国だけに、ここへ日本の選手たちを連れてくれば面白いことになると確信しました」

 2013年2月、中村は現地で留学の支援をしてもらっていた西村明香に「一緒に会社を起ち上げないか」と声をかける。日本人のサッカー選手を米国の大学留学へと橋渡しをする会社「WithYou」は、こうして米国で産声をあげた。(文中敬称略)

【第1回】プロ2年目で戦力外→8年後「社長」に 元Jリーガー中村亮が米国で見出した第二の人生

【第2回】サッカーへの未練断ち切った2年間 元Jリーガー中村亮、中学教員を経験して訪れた転機

【第4回】サッカー以外に武器はあるか? 元Jリーガー社長が語る引退後の進路選択で大切なこと

■中村 亮(なかむら・りょう)

 1981年8月13日生まれ、兵庫県出身。長身サイドバックとして滝川第二高校で頭角を現すと、98年度の全国高校サッカー選手権でベスト4に進出。鹿屋体育大学でも活躍し、2003年には大学選抜の一員としてユニバーシアード大邱大会で優勝した。04年にFC東京へ加入するも、怪我の影響によりJリーグのピッチに一度も立つことなく05年限りで引退。その後は中学校での教員生活などを経て、米国へ語学留学した。自身の現地での経験から起業を思い立ち、現在は株式会社WithYou代表として、日本から米国へのサッカー留学をサポートしている。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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