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“14歳の金メダリスト”の意外な今 騒動で一度は水泳が嫌いに…夏に起こる水難事故「着衣泳を知れば」――競泳・岩崎恭子

一度は水泳が嫌いになったが、今はしっかりと向き合い活動を続ける【写真:中戸川知世】
一度は水泳が嫌いになったが、今はしっかりと向き合い活動を続ける【写真:中戸川知世】

金メダル騒動で一度は嫌いになっても…水泳と向き合い、活動を続ける今

 あの「名言」以来、発信力を持ち続ける岩崎さんだからこそ、できることがある。それは本人も意識している。今は積極的に学校などで講演をしたり、イベントなどで体験会をしたりと活動を続ける。

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「私がやれば取り上げてもらえることも多い。PRは大事です。理解してくれる人がいたら選手たちにも活動をしてほしい。実際に、金藤(理恵)さんや(柴田)亜衣さんなんかも応援してくれています。依頼があれば、行って伝えたいですね」

 今後も着衣泳の指導や普及を通じて水泳にかかわっていきたいという岩崎さん。14歳で金メダルを獲得した後の長い人生。あの騒動の直後は水泳が嫌いになったというが、今はしっかりと水泳に向き合い、活動を続けている。やはり、水泳が好きだし、離れられないのだろう。

「少し日本の競技陣は元気ないですね。強化はもちろん大事です。でも、そのための普及がないと選手も出てこない。もっといろいろなことを発信して、?しないといけないと思うんです。普及と強化、どちらも大切ですから」

 日本水泳界へ愛をこめて言った。と、実は岩崎さん、水泳のほかに今はまっているものがあるという。多忙でなかなか練習はできないというものの、月に2回はコースに出るゴルフだ。

「実はJGA(日本ゴルフ協会)の理事をしているんです。水泳関係者に頼まれたんですけど(笑)。ゴルフは自然の中でやるのが楽しい。一人で練習できるし、いいも悪いも自分の問題。ちょっと水泳にも似ていると思っているんです」

 金メダリストとして生きてきた32年間、今もまだ水泳に関わって精力的に活動している。海に囲まれた日本人が海に親しみ、水と仲良くできるように、岩崎さんの挑戦は続いていく。

■岩崎 恭子 / Kyoko Iwasaki

1978年7月21日生まれ、静岡県出身。沼津市立第五中時代の92年バルセロナ五輪に出場し、女子200メートル平泳ぎ決勝で2分26秒65の日本新記録となる五輪新記録(ともに当時)で優勝。14歳6日で日本選手史上最年少の金メダリスト(当時)となった。レース後のインタビューで「今まで生きてた中で、一番幸せです」と答えたのが話題になり、一躍国民的なヒロインとなった。その後低迷したものの、96年アトランタ大会で2大会連続五輪出場。98年に引退しメディアなどで活躍した後、2002年から米国にコーチ留学。10年にシンガポールで行われたユースオリンピックでは、日本代表のコーチも務めた。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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