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遅咲きの大打者が振り返る野球人生“一発逆転”の転機「後悔も未練もない」

40歳を過ぎても現役続行、年齢は「ピンチ」ではない

「もっといい成績を残したい、もっといい結果を残したいと思ってきて、そのためには(打ち方を)変える必要性をずっと感じていたんです。だから自分としては必然のタイミングだったんだと思いますよ。

 僕の場合、リスクのことは考えないですね。まったくと言っていいほど。一度(変えて)失敗したこともあって、効果が出なかったんです。でも高いところを目指したんで、何の後悔もなかったし、やめときゃよかったなという気持ちもなかったですね。(リスクを考えて)やらないほうが僕としては嫌でした」

 打撃改造は成功し、2010年のリーグMVPにつながるのである。そして彼は40歳を過ぎてからも打ち続けた。年齢も彼にとって「ピンチ」ではなかった。

「年齢の括りを自分のなかでつくったら僕はダメだと思うんですよね。だってプロ野球という舞台は一つしかないわけじゃないですか。若い選手もベテランも関係ない。そこで年齢が高いからとなってしまうと、逃げ道になってしまう。たとえば20代の選手と競うとなると体力的には負けるかもしれないけど、こっちは知恵や経験で対抗できるので」

 いかなる状況に置かれても、彼はあきらめの要素にしなかった。

 どこかに必ず突破口のヒントがある。

「嫌になったり、あきらめたりすることは簡単。でもそうしたら絶対に『あっち』を越えられない。失敗したって、あきらめずに頑張れば目指した場所より、『こっち』がもっともっといい場所になる可能性があると思うんです。だからうまくいかないからと言って、別に悲観しなくていい。置かれた場所で、どれだけ頑張れるか、どれだけやれるか。僕はそう思いますね」

 和田一浩の生き様は、後進に多くのことを教えてくれている。

【了】

二宮寿朗●文 text by Toshio Ninomiya



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