[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

ハリル采配に見えた“決断”の難しさ J名将が達した境地「9割思うように運ばない」

「采配というのは9割方、思うようには運ばないものだ」――ネルシーニョ

若い時は3秒待たずに選手交代…ネルシーニョ監督が語る「広い視野」の重要性

「采配というのは9割方、思うようには運ばないものだ」――ネルシーニョ

 先のワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦(1-1)では、バヒド・ハリルホジッチ監督の采配が完全に裏目に出た。FW原口元気は「疲労困憊だった」と見て後半25分に交代させたが、カードを切った直後にDF酒井宏樹、FW久保裕也が相次いで動けなくなり、苦戦を強いられることになった。

 それ以前に自ら「重要な一戦」と位置付けた試合で、DF森重真人を初めとする常連を外し、到底起用するとは思えない選手を抜擢した。ベテラン監督として、様々な面で疑問符のつく判断が目立った。

 冒頭の言葉は名古屋時代のネルシーニョ監督のものである。経験を積み重ねた同監督は、9割方思うように運ばないのを承知して、努めて冷静に戦況を見守っている。

「若い時は、選手交代も3秒と待たずにやっていた。しかし経験を重ねて、もっと広い視野で状況を捉え、慎重な判断を下せるようになった。今動きが悪い選手がもう一度蘇るのかどうか。その境目を見極められるようになったんだ」

 かつてはネルシーニョ監督も、ベンチから大きなジェスチャーで声を張り上げていたという。

1 2

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
スポーツ応援サイトGROWING by スポーツくじ(toto・BIG)
DAZN
Lemino
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集