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「待遇改善など考えないと」 新生ハンド代表が厳しい船出、求められる時代の流れに乗った改革

若い選手たちに声をかけるハンドボール男子日本代表の玉川裕康主将(中央)【写真:編集部】
若い選手たちに声をかけるハンドボール男子日本代表の玉川裕康主将(中央)【写真:編集部】

玉川主将「選手と協会のコミュニケーションも必要」

 今大会は昨年パリ五輪で活躍した司令塔の安平光佑(24)や守備の要の吉田守一(23)ら海外組が不参加。コンディション不良を理由に出場を見合わせる選手もいた。もちろん、将来を期待される選手もいるが、チームとしての経験不足も明らか。試合後にはミスから自滅したことを反省するコメントも多かった。

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 玉川主将は「それぞれ事情はあるだろうし、個人の問題なので。ここにいるメンバーがベストの代表だと思っている」と話した。それでも不参加や辞退が相次いだ状況には、言葉を選びながら「選手と協会のコミュニケーションも必要だと思う」と本音を明かした。

 もちろん、日本協会も不参加者がいることは重く受け止める。荷川取義浩ハイパフォーマンスディレクターは「辞退の理由がコンディション不良なので」と言いながらも「待遇改善など考えていかなければならないことはある」と話した。日本リーグはプロ化を目指してリーグHに改編された。日本代表も歩調を合わせて改革していかないと、時代の流れに取り残される。

 来年には再び世界選手権の予選を兼ねるアジア選手権が行われ、27年にはロス五輪のアジア予選も控える。「今回で得た経験をアジア選手権に生かしたい」とジローナ監督は前向きだが、玉川主将は「今のままでは五輪に出られたとしても、いい結果を出すのは難しい」と危機感を募らせた。

 今大会で味わった世界の高い壁。ハンドボール界が一丸となって代表の価値を高め、世界に挑んでいかない限り、この壁を突破するのは難しい。(荻島弘一)

≪男子日本代表世界選手権成績≫

◇1次リーグ
日本21●39スウェーデン
日本20●39スペイン
日本26●31チリ
◇順位決定リーグ
日本25●27米国
日本31〇27バーレーン
日本32〇23キューバ
◇27位決定戦
日本32●37クウェート

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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